最終種目:ポイントレース(アクシデントとギリギリの戦い)
ここまでの3種目の順位に対して与えられるポイントの合算を持ち点にして始まるポイントレース。ポイントレースでは10周毎にポイント獲得周回(1着は5ポイント、2着は3ポイント、3着は2ポイント、4着は1ポイント)があり、最終周回だけは記載の獲得ポイントが2倍となる。その他メインとなる集団を1周追い抜くと特別に20ポイントが加算される。レースは100周・合計25kmで争われる。これまで3種目の順位で積算したポイントとポイントレースで得たポイントの合計が最も高かった選手がオムニアムの勝者となる。
ここまでの暫定順位は
1位:橋本(116ポイント)
2位:マルムバーグ(110ポイント)
3位:カラリオク(108ポイント)
4位:マルトレール アガ(スペイン:104ポイント)
レースは最初のポイント周回では2着、次は1着、3回目は2着と、橋本が積極的にポイントを獲得していく。同じく暫定3位でスタートしたカラリオクも1着、4着、1着と橋本を追う展開。
着実にポイントを重ねていきたい橋本だったが、4回目のポイント周回を前にアクシデントが発生する。
バンクの中段を走っていた橋本だったが、内側の選手に押されるような形でバランスを崩し、前方の選手のタイヤに引っ掛かり落車してしまう。落車の間に4回目のポイント周回となり、ポイントを獲得することが出来なかった橋本。一方でカラリオクは1着5ポイントを獲得し、両者の差は僅か3ポイント。
落車後にすぐに復帰した橋本だったが、落車の影響のせいか5回目のポイント周回でも着に入れず、一方でカラリオクが3着2ポイントを獲得し、いよいよその差は1ポイントとなる。
残り40周、6回目のポイント周回では一気に他の選手たちを引き離して加速すると、1着5ポイントを獲得。2着争いはカラリオクが制したが、橋本が再びリードを広げて3ポイント差。一進一退の攻防が続く。
残り30周、7回目のポイント周回で1列棒状となったトップ集団。橋本は後方に位置するとスプリントで位置を上げることが出来ず、ポイント獲得成らず。しかしカラリオクは2着となり3ポイント追加し、遂に橋本と同ポイントにすることに成功する。
いよいよ終盤となった残り20周のポイント周回、橋本がカラリオクの前で先着し3着2ポイントを獲得。対するカラリオクは4着1ポイント。再度橋本が1ポイント差を付けて暫定首位となる。
残るポイント周回はあと2回。
ここから橋本はカラリオクを徹底マークし逃さず、9回目、残り10周となるポイント周回でも3着、カラリオクが4着でリードを2に伸ばす。最後もカラリオクより先着し、更にポイントを4の伸ばし、獲得ポイントの合計を138とし、落車を乗り越え見事にリードを守り、男子オムニアム日本人史上初のネーションズカップ(旧称ワールドカップ含め)金メダル獲得を果たした。
優勝:橋本英也(138ポイント)
2位:ヤウヘニ・カラリオク(ベラルーシ:134ポイント)
3位:マティアス・マルムバーグ(デンマーク:125ポイント)