「男子エリート・女子エリート」のように、トラック競技の大会でよく耳にする「エリート」。自転車競技に出場する選手は区分(カテゴリ)分けされており、エリートはそのカテゴリの内の1つだ。
では選手達はどのようにして各カテゴリに分けられているのか。本記事では自転車競技のカテゴリについて解説していく。
カテゴリは性別・年齢により決定
UCIの規則では男子・女子に分かれた後、以下のように選手達の年齢により各々の所属するカテゴリが決定する。エリートやマスターズと聞くと実力や成績による区分だと思うかもしれないが、実はそうではない。
カテゴリ名 | 対象年齢 |
Youth / ユース | 16歳以下 |
Juniors / ジュニア | 17・18歳 |
Under 23 / 23歳未満 | 19〜22歳 |
Elite / エリート | 23歳以上 |
Masters / マスターズ | 30歳以上(任意) |
Para-cyclists / パラサイクリスト | 各大会により規定 (障害の種類・度合いによるクラス分け) |
※1月1日〜12月31日の1年間を基準とした年齢。例えば2021年現在、誕生日を迎えていなくても1998年生まれは全員エリートに所属となる。
年齢により自動的に所属が決まるカテゴリだが、マスターズのみ少々異なる。30歳以上の選手はエリートに留まるかマスターズに所属するか、任意で選択できる仕組みだ。
ただしUCIに登録したチームに属する選手はマスターズを選択することができない。そして所属できるカテゴリは1人の選手につき1つのみ。エリートとマスターズの兼属はできない。現に30歳を超えても世界選手権のような舞台で活躍している選手は多くいる。
出典:UCI競技規定
ややこしい「U19」
全ての大会がUCIの定めるカテゴリに従って競技・レースを実施していれば話は簡単だ。しかし大会によっては選手エントリー数が少なく、この通りに行えない場合もある。
そこでしばしば採用されるのが「U19」カテゴリだ。特に国内選手権等で採用される「U19」は「18歳以下」のカテゴリ、すなわち上記のUCI「ジュニア」以下の選手達を指す。
UCIの区分方法 | 「U19」のある区分方法 | |
17・18歳 | ジュニア | U19 |
19〜22歳 | U23 | エリート |
23歳〜 | エリート |
UCI区分ではジュニア、U23、エリートの3カテゴリに分かれるところを、19歳を境とした2カテゴリに分けることで、十分な競技者数を確保することができる。