イギリス黄金期の幕開け

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女子トラック強豪国を築き上げた立役者たち

オリンピックトラック競技の種目数は、現在は男女同数となっている。しかし2008年大会当時は、女子の種目数は圧倒的に少なかった。そんな限られた機会の中で、目覚ましい活躍を見せた女子選手たちをご紹介していく。

脊椎骨折からの復活劇 アンナ・メアーズ

オーストラリア代表のアンナ・メアーズは、前大会のアテネ開催(2004年)で500mTTに出場し、大会記録と世界記録の両方を上回る33.952秒で金メダルを獲得。トラック競技においてオーストラリア人女性初のメダリストとなった。

しかし北京オリンピックを目前とした2008年1月、大会中の事故で脊椎骨折等の重傷を負ってしまう。ところがメアーズは、僅か10日で自転車へ復帰。リハビリを重ねた結果、オリンピック代表選考会では自己ベストに近いタイムを出し、無事代表として選出された。

このような道のりを経て出場した、2008年北京オリンピック。メアーズはオリンピック種目から除外された500mTTに変わって、スプリントに出場。銀メダルを獲得した。

2004年アテネ、2008年北京と連続してメダルを獲得したメアーズ。彼女はこの後もオリンピックメダルを積み上げていくこととなる。

ABCニュース オリンピックチャンネル

ボートからトラックへ レベッカ・ロメロ

2008年大会において7種目で金メダルを獲得したイギリス。女子も3種目中2種目で金メダルを獲得している。アンナ・メアーズを下し、スプリントで優勝したヴィクトリア・ペンドルトンと、数奇な経歴を持つレベッカ・ロメロ(個人パシュート)だ。

ロメロはもともとボートレースの選手。アテネオリンピック(2004年)ではダブルスカル種目で銀メダルを獲得したが、背中を痛めボート競技から引退。

※ダブルスカル:2人の選手が両手にオールを持って漕ぐ競技(クオドルプルスカルは4人)

ボートからは引退したものの、そこからトラック競技の道へ。トレーニング開始から1年足らずで個人パシュートの国内チャンピオンになり、北京オリンピック直前の世界選手権では個人パシュート優勝、チームパシュートの世界記録を樹立した。

そして迎えた北京オリンピック。個人パシュートで優勝し、異なる競技でメダルを獲得した歴代2人目の女性アスリートとなった。

オリンピックチャンネル ESPN

三刀流の世界女王 マリアンヌ・フォス

北京オリンピック女子ポイントレースで優勝したマリアンヌ・フォス(オランダ)。彼女は本大会に出場する以前から、ロードレース、シクロクロス、そしてトラックの大会に出場し、数々の栄光に輝いていた。

PAU, FRANCE - JULY 19: Arrival / Marianne Vos of The Netherlands and Team CCC-Liv / Celebration / during the 6th La Course 2019, by Le Tour de France a 121km stage from Pau to Pau / TDF / #LaCourse / @LaCoursebyTDF / on July 19, 2019 in Pau, France. (Photo by Chris Graythen/Getty Images)

マリアンヌ・フォス Photo by Chris Graythen/Getty Images

2006年はロードレース世界選手権とシクロクロス世界選手権で優勝。2008年、北京オリンピック直前となるトラック世界選手権のポイントレースで優勝し、3種類の世界タイトルを得て挑んだ北京オリンピック。前述したように、本大会ではポイントレースで優勝している。

フォスはこの後も数々の国際大会で活躍。ロードレースでは強豪オランダチームを牽引し「私はまだ成長過程」とインタビューで述べるなど、まだまだ衰えを見せていない。

強豪オランダがワン・ツー優勝で世界選2連覇 アンナミク・ファンブルテンが女子ロード世界王者に/ロード世界選手権2019

 

オリンピックチャンネル マリアンヌ・フォス公式サイト CyclingNews.com