現在9種目がUCI正式種目として行われているトラック競技。しかし現在の形、種目数で開催されるまでには幾度もの除外や追加等のルール変更が施されてきた。本シリーズでは、UCI世界選手権やオリンピックにおける種目・ルールの変遷をその始まりから辿り、トラック競技の発展という視点からその魅力を探っていく。
前回の「ケイリン・マディソンの歴史」に続きシリーズ第4回目の本記事では、多種目複合型である「オムニアム」誕生と発展の裏に隠れた思惑について掘り下げていく。
多種目複合型レース、オムニアムの誕生
複数の種目に同一選手が出場し、各種目で獲得したポイントの総計を競うオムニアム。陸上競技で言う10種競技のようなものだ。
オムニアムが正式種目として導入されたのは、UCIトラック世界選手権では2007年、オリンピックでは2012年。そこから度々種目やルールに変更が加えられてきた。オリンピックではまだ2回しか開催されていないため、2007年のUCIトラック選手権からその変遷を辿っていく。
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