第3戦香港大会を終えてから早1週間。今シーズンのワールドカップも折り返しを迎え、2019-2020UCIトラックワールドカップ第4戦ニュージーランド大会が開幕する。

男女共にチームパシュート世界王者であるオーストラリアが「本気のメンバー構成」でエントリーしていることが一番ホットなニュースと言えよう。マディソンオムニアムにおいてはメンバー変更が行われた国も多く、ここまでのワールドカップとはまた雰囲気の異なるレースとなることが予想される。

男子チームパシュート

優勝候補筆頭はオーストラリア(レイ・ハワード/キーランド・オブライエン/アレクサンダー・ポーター/サミュエル・ウェルスフォード)。第2戦に出場した際は若手中心の構成であったが、今回は3分48秒012の現世界記録保持者である4人、「本気のメンバー構成」で揃えてきた。

強豪の一角である地元ニュージーランドは、トレードチームであるSouthern Spars Track Team(以下SSP)とナショナルチームの2チーム体制でのエントリーとなった。

ニュージーランド(アーロン・ゲイト/リーガン・ゴフ/ディラン・ケネット/ジョーダン・カービー)はスチュワートやケルゴゾウをメンバーに入れていないものの、昨年の世界選やワールドカップのチームパシュートで実績を残している選手や、個人でオセアニア選手権メダル獲得経験のある選手を集めている。

それに対してSSP(ジョージ・ジャクソン/ヒューゴ・ジョーンズ/ジョシュア・スコット/コナー・シャーリング)はオセアニア選手権のチームパシュートで2位3位に入った若手を集めた構成である。

New Zealand

そして気になるのは本命メンバーでの構成と思われるスイス(ステファン・ビッセガー/ロビン・フロイドボー/クラウディオ・イムホフ/ルーカス・リュエッグ)だ。

ここまでの3戦では毎回メンバーを入れ替えており、第4戦は昨シーズンの世界選手権チームパシュートにて6位を獲得した際のメンバー(イムホフ以外の3名)と、ここまでのワールドカップで一番良いタイムが出た時のメンバー(第1戦:リュエッグ以外の3名)を掛け合わせたような形だ。

Switzerland (IMHOF Claudio, BISSEGGER Stefan, PASCHE Frank, THIERY Cyrille)

また、イタリアは個人パシュートの世界記録保持者ガンナが不在であるが、それ以外のヨーロッパ選手権2位のメンバーは全員エントリーをしているため、メダル争いに加わる力は十分に持っているだろう。

男子オムニアム

世界チャンピオンであり、第3戦のオムニアムも制したキャンベル・スチュワート(ニュージーランド)は今大会にもエントリー。マディソン世界チャンプのロジャー・クルーゲ(ドイツ)もオムニアムを走る。

また、2017-2018と世界選手権ポイントレース2連覇のキャメロン・マイヤー(オーストラリア)、2019年世界選手権スクラッチにて銀メダルのロイ・エイフティング(オランダ)らも顔を揃えた。ウェルスフォードやファンシップといった自国のオムニアムエースの座を奪うべく、結果を求めた走りをするだろう。

Roy Eefting (NED)

男子マディソン

オセアニア選手権を制したコンビでエントリーしているオーストラリア(キャメロン・マイヤー/キーランド・オブライエン)は優勝候補と言えるだろう。しかし、昨年の世界選手権や今シーズンの第2戦はオブライエンではなくハワードの起用であったため、まだメンバー争いが続いているとも考えられる。

Australia (WELSFORD Sam & O’BRIEN Kelland)

ニュージーランドはオムニアム世界チャンプのキャンベル・スチュワートは固定で、ペアを組むメンバーを入れ替えている。第3戦とオセアニア選手権はトーマス・セックストンと組んでいたが、今大会はアーロン・ゲイトが相棒を務める。

ヨーロッパ選手権マディソンで銀メダルを獲得したヨエリ・ハビック(ペアはロイ・ピータース)のオランダや、2013年マディソン世界チャンピオンのモルガン・クネスキとフランスジュニアロードチャンピオンで18歳のケビン・ボクリンという一回り以上歳が離れたコンビで挑むフランスも面白い。

男子スクラッチ

チームパシュートでワールドカップ制覇の経験があるニコラス・ケルゴゾウ(ニュージーランド)やオムニアムでも取り上げたロイ・エイフティング(オランダ)などが中心となってレースを作っていくだろう。エイフティングは第3戦にてスプリント力を武器にこの種目を制している。

また、スクラッチにはカルロベルト・ジョルダーニ(イタリア)、ダミアン・スラウェク(ポーランド)、マウロ・シュミット(スイス)などの強豪国の未来を担う若手選手が多く集まった。一発の仕掛けによる逆転が多く見られる種目だけに、若手だからと侮るなかれ。

男子エントリーリスト PDF

女子選手編