ロシアがWADA(世界アンチドーピング機構)に提出したデータに改ざんがあるとして、WADAは11月25日、ロシアに対して「4年間オリンピックを含む国際大会への参加禁止処罰を与えるか検討中」とのこと。もしロシアがこの処罰を受ければ、2020年東京オリンピックへの参加も不可能になる。
過去に国家がらみのドーピングが発覚し、IOC(国際オリンピック委員会)から2018年平昌冬季オリンピックへの参加禁止を受けたロシアだったが、再びオリンピック参加に暗雲が立ち込めている。
国家がらみの不正
ロシアは2015年に陸上競技を中心に国家がらみのドーピングが発覚。これにより、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは389名の代表選手の内100名以上が参加を許されなかった。しかし、2018年平昌冬季オリンピックではドーピングの不正に関わっていない事を証明し、厳格な基準を満たした選手のみ個人資格での参加が許された。
WADAは昨年の9月に、ロシアに対してドーピングの検体データを提供することを条件として国際大会などへの参加復帰を認めたが、今回の一件で再び不信を招いている。
ロシアのスーパースター達はどうなるの?
デニス・ドミトリエフやダリア・シュメレワ、アナスタシア・ボイノワなど、特に短距離勢はワールドカップなどの表彰台にも上がる名選手揃いのロシア。ドーピングへの処罰は陸上競技だけでなく、全ての競技種目に関わってくる為、今後の処分によっては彼らの姿を東京で見れなくなってしまう可能性も。
だが、もし今回の東京オリンピックでロシア代表全選手が参加禁止となったとしても、平昌冬季オリンピックと同様に「不正に関わっていない事を証明できれば個人資格で大会に参加できる」とされている。潔白を証明する為の検査の詳細は明らかにされていないものの、出場できる事を願うばかりだ。
12月上旬にフランス・パリで開催されるWADA常任理事会にて、ロシアの処分に対して更なる追求が行われる。