10月21日、韓国で開催された『アジア選手権トラック2020』は大会最終日に女子エリートケイリンが行われ、現世界王者リー・ワイジー (李慧詩:香港)が優勝し自身6度目のアジア女王に輝いた。また前回大会優勝者の小林優香は2連覇を狙ったが僅差で2位。同じく決勝に駒を進めた太田りゆが5位に入った。
アジアの女子短距離のレベルはワールドカップや世界選手権に匹敵する、まさにワールドレベル。
香港のリー・ワイジー (李慧詩)はケイリンとスプリントの現世界王者であり、まさに現在世界最強の女子スプリンター。
他にも、スプリント種目の2016年世界王者、中国の ゾン・ティエンシー(鍾天使:中国)。そして、韓国のイ・ヘジンはワールドカップや世界選手権でも上位に名を連ねる選手の1人。
そんな強豪相手に、前回のアジア選手権で優勝したのは日本の小林優香。昨シーズンのワールドカップで銀メダルを獲得した太田りゆと共に、再度アジアチャンピオンの座を狙った。
東京オリンピックまで1年を切る中、今回のアジア選手権はオリンピックポイントを上積みさせるためだけでなく、これから始まるワールドカップシーズンを前に、同等レベルのガチンコレースができるという貴重な大会でもある。
1回戦
全17選手がエントリーしたケイリン。勝ち上がりは、1回戦、準決勝、決勝で行うトーナメント形式。また、1回戦で着外になった選手を対象に敗者復活戦が行われ2回戦に復活することができる。
1回戦は2着までが次の準決勝に進む。
1組目:太田りゆ
対戦相手の中には世界王者リー・ワイジーの姿もある厳しい組となった。
レースは牽制状態でスピードが上がらない展開の中、太田りゆが積極的に前に出て、先頭で残り1周を迎える。そして、徐々にペースアップを図るが、そのすぐ後ろにはリー・ワイジー、中国のソンと続く。
最終3コーナー、逃げ切りを狙い懸命にペダルをふむ太田をリー・ワイジー(李慧詩:香港)がかわすと、そのリー・ワイジーをマークしていたソン(中国)も追走し、最終4コーナーで太田を抜く。
結果、リー・ワイジー(李慧詩:香港)が1着。ソン(中国)が2着。太田は3着で敗者復活戦に回ることになった。
2組目:小林優香
続く2組目にディフェンディングチャンピオンの小林優香が登場。小林組で警戒すべきは、今大会のスプリント種目で銀メダルを獲得している中国のゾン・ティエンシー。
残り2周で小林は先頭に構え、後続の状況をみながら仕掛けるタイミングを探っていく。バックストレート、4番手にいたゾンが加速して、一気に先頭へ。さらにそのスピードにのって韓国のヨン・ソニョンも前へ上がる。
その加速にわずかに遅れた小林は、先行するゾン(中国)、2番手のヨン(韓国)から2車身ほど遅れて残り1周を迎える。
最終バックストレートで徐々に差を詰める小林。最終4コーナーでヨン(韓国)をとらえ2着でフィニッシュラインを通過。1着のゾン(中国)と共に準決勝進出を決めた。
1回戦で3着となり敗者復活戦に回った太田は、しっかりと勝ち残り準決勝に駒を進めた。