17日に韓国・鎮川(ジンチョン)で開幕した『アジア選手権トラック2020』ではパラサイクリング種目も同時に行われ、アジアナンバーワンをかけた戦いが繰り広げられている。
大会初日、日本は金メダルメダルラッシュとなるなか、WC3カテゴリーの杉浦佳子が500mタイムトライアルで日本記録更新となる38秒476のタイムを出して優勝。WC2カテゴリーの藤井美穂も41秒484で銀メダルを獲得した。
パラサイクリングとは
パラサイクリングはUCI(国際自転車連合)の規定する競技規則のもと行われる障害者の自転車競技であり、選手は障害の種類と使用する自転車により4つのクラスに分けられ、さらに障害の度合いにより分類される。参加する選手の障害の種類は大まかに四肢障害(切断、機能障害)、脳性麻痺、視覚障害、下半身不随がある。
各選手は障害、程度により適合する競技クラスに分類され、競技を行う。同じクラス内では数字が小さいほど重度の障害となる。またクラス(障害の重度)により係数が加算され、係数加算後のタイムが最終結果となる。
杉浦、藤井は両者ともCクラス。通常の二輪自転車を使って行われ、切断、機能障害、麻痺などの四肢の障害がこのクラスとなる。障害の程度によりC1~C5に分類。
杉浦は9月に行われた全日本選手権トラックでも日本記録を更新しており、今回は自らの記録を再び更新するものとなった。
優勝:杉浦佳子(WC3/楽天ソシオビジネス株式会社) 38秒476
2位:藤井美穂(WC2/楽天ソシオビジネス株式会社) 41秒484
3位:WONGSWAN,Jiraporn (WC5/タイ) 45秒726
障害を負い自転車に乗り始めてから約3年。ロードレースでは一躍世界のトップに上り詰めた彼女は、トラックサイクリングを通じて、スピードに磨きをかけることが最大の目的だ。
そうした中、自らの持つタイムを伸ばし続け可能性を広げている杉浦。今後、トラックはもちろんロードでもこの結果が活きてくるだろう。
杉浦佳子インタビュー
自己ベストを出せたことが良かったです。ただ、今回のタイムは世界のトップ選手相手にはまだまだ通用しないので、500mタイムトライアルに関しては、自分の練習がメインで取り組んでいます
トラックをはじめてまだ2年。次から次へと課題をこなしていく中で記録が伸びていってます。このトラックで培ったスピードがロードのアタックにも活きてくるかなと思っています。