2019年9月14日〜9月16日、日本競輪選手養成所内『JKA250』で開催された『第88回 全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース(2019全日本トラック)』。2日目15日に行われた男子エリートケイリンでは、新田祐大が勝利を手にした。
本記事では、昨年までで10連覇していたスプリント日本女王・前田佳代乃 元選手による決勝戦の解説をお届けする。
決勝
決勝進出者、出走順は以下の通り。
1 | 松井宏佑 | JPCA |
2 | 新田祐大 | Dream Seeker Racing Team |
3 | 中野慎詞 | 早稲田大学 |
4 | 新山響平 | JPCU青森1 |
5 | 河端朋之 | JPC |
6 | 脇本雄太 | JPC |
前田「この選手陣、並びだと全員が仕掛けそうですね。唯一動かなくていいのは、新田さんの後ろにいる中野くんでしょうか。」
動画2:51〜
前田「最後方で脇本さんが車間を空けましたね。動くかもしれません。」
動画3:10〜
前田「新山くんが動く。これは松井さんにはもってこいの展開ではないでしょうか。新田さんがすかさず動いた!これめがけて河端さんや脇本さんも動きますが…間に合うかな?厳しそう。」
動画3:25〜
前田「このままだと中野くんメダル狙えますね!内側の松井さんに新田さん選手の後ろへの切り替えを許さず、しっかり付いていって新田さんの動きに乗っていけてる。」
最終2コーナーでは松井が新田を外から追いたいものの、新田-中野へ後続するのは河端。新田-中野-河端-新山-松井-脇本の並びで残すは半周。この時点で新田が2番手中野に1車身半の差をつけるも、中野が最後のスプリントを始める。新田を差せる距離にない河端はなんとしてでも中野を差し切り2位を狙いたいが、新田の後ろで力を温存できた中野は最後まで伸びる。1位は逃げ切った新田祐大。若干20歳の中野慎詞が2位、後方からの苦しい展開にも地足で食らいついた河端が3位。
前田「結果的に新田さんがラスト1周半で仕掛けたところが勝負を決定づける動きでした。他の選手は前がスピードに乗り切っていた、かつ捲りに対して捲りの展開だったので仕掛けるタイミングについては悩みどころだったのでしょう。しかし優勝した新田さんは勿論ですが、中野くんへ惜しみない拍手を送りたいですね!新田さんが仕掛けたときにちぎれなかったこともそうですが、垂れることなく最後に新田さんを追い込もうとするまで勝負にいけた所に実力が見えました。」