“春の選抜”とも称される『全国高等学校選抜自転車競技大会』が2026年3月12~16日に実施された。

春の選抜、夏のインターハイ。高校生にとっての2大大会の初戦となった今大会。
『More CADENCE』としてはトラックのみの取材となったが、大会の様子をレポートする。

特別協賛となった福岡トランスのバナー「Allez(アレ:フランス語で「行け!」) もがけアオハル」が印象的な会場内。レースは大きな会場内に関係者たちの声が響き渡り進んでいく。

国内唯一の335mバンクでの決戦

国際規格の250mよりも傾斜が緩い、国内唯一の335mバンクが舞台となった大会。落車をしては再出走を繰り返しながら、レースは進んでいく。この辺りはエリートクラスとの大きな違いで、関係者がピリピリしながらレースを見守る。

積極的な展開のポイントレース

ポイントレースは男女ともに積極的な仕掛けが見られ、様々な選手がポイントを獲得していく展開。男女ともに最後まで上位争いが行われ、終盤まで勝負の行方は分からない形となった。多くの選手が積極的に仕掛けていったため(別の記事でジュニアコーチのコメントとして紹介)、上位争いは混迷。ほとんどの選手がポイントを経ていったが、男子は最後のスプリント周回を制して逆転した佐野凌麻(岐阜第一)が見事に優勝。女子は市川啓子(松任)が終盤に猛烈な追い上げを見せて1位となった。

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4年ぶりに更新 男子ジュニア記録樹立の松田奏太朗

男子個人パシュートのジュニア記録は、2022年に梅澤幹太が伊豆ベロドロームで記録した3分18秒419。今大会では4年ぶりに松田奏太朗(松山学院)が3分17秒977のタイムであおの記録(大会新及び高体連新)を塗り替えた。

スピードが出易い伊豆ベロドロームと前橋競輪場という違いもあり、松田の今後に期待が掛かる結果となった。

※松田はJCFのトラック競技ジュニア強化指定選手にも選出されている

大逃げの毛利 男子ケイリン

ケイリンでは男子決勝で逃げ切れるかどうか、覚悟のレースが行われた。残り2周、およそ650mを残し、後ろが見合う形となった。先頭の毛利元晴(誠英)と後続の間が大きく開いたところで毛利が全快で踏み込んでいく。長い650mほどの逃げの旅。

最終周回ではその差がどんどん縮められていき、最後は正木颯人(九州学院)、青沼信我(取手一)が迫ってくるが、車輪一つほどの差で毛利が先着。ロングスパートでの逃げ切りを見事に果たし、選抜の頂点に輝いた。

高校生の”急激”な成長は日々続く

高校生にとっての2大大会の1つ「春の選抜」。今回はその頂点に輝いた選手たちがチャンピオンジャージを纏うことになったが、高校生の”急激”な成長は日々続いていく。今回勝った選手たちも、勝てなかった選手たちもインターハイでは確実にレベルアップを果たして、次の大舞台に臨んでくることが期待される。『More CADENCE』は、インターハイでは更に深く取材を重ねていく予定となっている。

選手コメント

山崎帝輝(松山学院)

男子スプリント優勝

男子スプリント:優勝・山崎帝輝(松山学院)、2位・入田翔(南大隅)、3位・佐野唯月(京都精華)

インターハイでも優勝できるように頑張りたいです。
スプリントの方が得意なので、インターハイでもスプリントでと思っています。

藤田初風(山陽)

女子スプリント優勝

女子スプリント:優勝・藤田初風(山陽)、2位・前島きよの(沖縄向陽)、3位・堤ひなた(鹿町工)

自分の父であり師匠でもある藤田昌宏(岡山・82期)が憧れです。ずっと支えてきてくれたお父さんに恩返しができるように。感謝の気持ちだけだったら誰でも言えるので、実績を作ってお父さんに恩返しがしたいです。競輪選手になれとは一度も言われたことはありませんが、小さい頃から競輪選手になりたいと思っていました。努力するという姿を見てきて、格好良いなと思っています。
インターハイは必ず獲ります。ただ1位を獲るだけでなく、圧倒的な力で獲りたいです。

玉井雫月(高松工芸)

女子ケイリン優勝

女子ケイリン:優勝・玉井雫月(高松工芸)、2位・伊東優来(岐阜第一)、3位・阿部陽海(栄北)

狙ってきたこのチャンピオンジャージを得られたことは嬉しいです。自分から仕掛けるというレースではなく、他の選手の仕掛けに対して反応してということが多かったので、100点とは言えません。そういった部分を今後は改善していきたいと思います。インターハイでも、1kmとケイリンに出場して頑張ります。進路はまだはっきりとは決まっていないので、これからの大会に全力で取り組みたいと思います。

毛利元晴(誠英)

男子ケイリン優勝

男子ケイリン:優勝・毛利元晴(誠英)、2位・正木颯人(九州学院)、3位・青沼信我(取手一)

優勝することができて嬉しいです。逃げ切れる自信は無かったですが、ハロンで自分より0.3秒速い選手が2人いたので、早く駆けなければならないと考えて、覚悟を決めて思い切りいきました。最後は前だけを見て踏み続けました。

インターハイのタイトルも狙いたいですし、ナショナルチームにも入りたいです。
野村賢選手(山口・125期)が憧れの選手です。最終的に競輪選手になるかは決めていないのですが、大学でも競技を続けて、インカレでも1位を獲りたいです。

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