「あと2年でどれだけ仕上げられるか」佐藤水菜・窪木一茂がメダル獲得記者会見
ジェイソン・ニブレット短距離ヘッドコーチ
ダニエル・ギジガー中長距離ヘッドコーチ会見
Q:まずは、大会の総括をお願いいたします。
ジェイソン:もちろん、短距離については佐藤選手の2つのメダルが大会全体のハイライトになります。それ以外にも、全選手のパフォーマンスの中で、良かったところも悪かったこともあったので、それは選手・スタッフでしっかりと振り返っていく必要があると思います。
ダニエル:アジア選手権では、特にここ数年は日本はトップに位置する立場として、しっかりとした成績を残すことができました。一方、特に中長距離は世界のレベルも伸びているなかで、男子チームパシュートは残念な結果でしたが、その他の種目では良い結果を残すことができました。全体的なレベルが上がっていると感じました。
Q:佐藤水菜選手の活躍・成長をどのように捉えていますでしょうか?
ジェイソン:佐藤選手はケイリンではこれまでも良い成績を残し続けていましたが、2024年上旬からはスプリントでも世界トップレベルで戦えるようになってきました。その理由は、戦略が大きな要因だったと思います。今大会、たとえば準々決勝のレースなどではミスもありましたが、しっかりとそれを振り返って、翌日の準決勝・決勝では良い走りにつなげることができたと思います。
Q:窪木選手は昨年世界一を獲得したスクラッチではなく、オムニアムへの出場でした。この種目での銀メダルは、どのような意味を持つでしょうか?
ダニエル:窪木選手は経験豊富な選手でありながらも、モチベーション高く挑んでくれています。4年連続でのメダル獲得ということ自体が素晴らしいのですが、過去3年(スクラッチ)とは異なり、今年はオリンピック種目であるオムニアムでメダルを取れたというのが大きいと思います。今年のオムニアムはすごくレベルが高く、最後のゴールスプリントまで誰がチャンピオンになるかわからないようなレースでしたが、そこで銀メダルという結果を残せたのは非常に嬉しいです。
Q:一方で、メダルの数としては昨年は6つ、今年は3つと数を下回る結果となりました。
ジェイソン:去年の世界選手権が特別な大会であり、同様の結果が続いたらそれはラッキーだと感じていました。その中で、太田海也選手(ケイリン:4位)や兒島直樹選手(ポイントレース:4位)もメダルまであと一歩という走りを見せてくれたのはポジティブなことだと思います。
ダニエル:マディソンの結果がすごく良かったのが印象的です。兒島選手も、経験を積むことで、レースが読めるようになったのはすごく喜ばしいことです。女子チームパシュートの5位という結果も素晴らしいものでした。男子のチームパシュートに関しては、隊列が崩れてしまったのが残念でしたが、橋本選手の怪我などもあり、今年はメンバー選考で難しい部分もあったと思います。
Q:窪木選手の強さの要因は、コーチの目から見てどのように感じますか?
ダニエル:生活の面から、しっかりと高いモチベーションを維持していることが彼の強さだと思います。チームに与える影響もとても大きく、ボスのような存在であり、選手たちを導いてくれていると思います。
Q:今後、各国がさらに力を入れてくる中で、どのような部分を伸ばしていくべきでしょうか?
ジェイソン:個人として上げていかなければならないポイントもたくさんありますが、チームとして自分たちがやってきたことをしっかりと振り返って、来年以降の次のステップに向けてどう改善していくべきかということを話し合っていかなければならないと思います。
また、来年は「競輪ワールドシリーズ(外国人選手招聘レース)」が再開されます。世界のトップレベルの選手が来日して、日本の競輪を走るほか、伊豆で練習することになる。選手個人も、チームとしても、それによって良い影響を受けることになると思います。