チリ・サンティアゴを舞台に、10月22日より開幕した『2025世界選手権トラック』。
2日目に行われた女子スプリントの予選~準々決勝までの模様を、会場を大いに沸かせた佐藤水菜の活躍を中心にお伝えする。
佐藤水菜、酒井亜樹、仲澤春香に加え、エマ・フィヌカン(イギリス)、マチルド・グロ(フランス)ら総勢34人がエントリーしたこの種目。
この日は予選の助走ありの200mタイムトライアルと、1回戦〜準々決勝までを実施。準々決勝からは2本先取となり、翌3日目に準決勝と決勝が行われる。
予選 佐藤・惜しくもトップ4入りならず
| 予選トップ3+日本選手の結果 | ||
| 順位 | 選手名 | タイム |
| 1位 | レア・フリードリヒ(ドイツ) | 10秒331 |
| 2位 | ヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ) | 10秒339 |
| 3位 | エマ・フィヌカン(イギリス) | 10秒341 |
| 5位 | 佐藤水菜(日本) | 10秒398 |
| 24位 | 仲澤春香(日本) | 10秒857 |
| 25位 | 酒井亜樹(日本) | 10秒945 |
1回戦 力の差を見せた佐藤 酒井と仲澤は勝ち上がれず
準々決勝までは1本勝負となる対戦ラウンド。
佐藤は予選28位のマカイラ・ウォレス(トリニダード・トバゴ)と対戦し、タイム差を活かして最終周回で捲って先着。
酒井は予選8位のアリナ・リシェンコ(AIN/個人中立選手)との対戦。前に酒井でスタートしていくと、ゆっくりとしたペースで進みながら1周していく。
お互いを注視しながら最終周回に入る前の4コーナーまで酒井がリシェンコに加速させずに進んでいくが、強引に外から加速していくリシェンコ。一気に酒井の前に出ると、更に加速していき酒井を突き放して先着。酒井は勝ち上がることは出来なかった。
仲澤は予選9位のステファニー・クアドラード フロレス(コロンビア)との対戦。
仲澤が前を位置取り、相手との間を大きく開けて1周回が過ぎるところで、後ろから一気に仕掛けたのはクアドラード。
この動きに反応が遅れた仲澤の内側を付いて一気に前に出ると、そのままスプリント体制へ。後手に回る形となった仲澤は後ろから追うものの、最後までクアドラードを捕まえることができずに2着。2回戦進出は成らなかった。
準々決勝
2回戦を勝ち上がった佐藤は予選4位、ほぼ同タイムを持つロリアンヌ・ジュネスト(カナダ)との対戦。ここからは2本先取で勝ち上がり、翌日の準決勝へと進む。
佐藤が前、ジュネストが後ろでスタートしたレース。佐藤がジュネストを上手く引き付けつつ、相手のタイミングでスプリントをさせないようにけん制しながらレースが進む。
残り1周を前に先に仕掛けていったのは佐藤。バンクの中段から傾斜を利用してフル加速していく。3コーナーで一度並走状態になるが、そこから相手を出さずに内側で先行して先着。1本目を佐藤が得た。
2本目はジュネストが逃げ切っての3本目。佐藤は後ろからの展開となる。
2本目とは異なったのは佐藤の加速力。
残り半周で並びかけると、3コーナーから4コーナーで前に出ていく。最後は車輪一つほどの差で佐藤が先着。
予選5位の佐藤が予選4位を倒し、苦しみながらも準決勝進出を果たした。
準決勝は予選8位アリナ・リシェンコ(AIN)との対戦。佐藤もリシェンコもタイム上位の選手を倒してきたレース巧者なため、レースの内容、そして佐藤のメダル獲得に期待が掛かる。準決勝は24日現地時間18時ころ(日本時間25日朝6時ころ)のスタートの予定。
