オーストラリアからイギリスへ移籍した世界トップスプリンターの1人、マシュー・リチャードソン。

海外メディアを漁っていた編集部員は、ライバルであるハリー・ラブレイセン(オランダ)へリチャードソンが“宣戦布告”していたことを発見した。

「ハリーから記録を奪うためなら何でもする」

編集部員が発見したのは、2025年12月に開催される『ロッテルダム Six Days』の公式サイトのある記事。
本大会にリチャードソンが出場することが決定した旨を報じるニュース記事の中で、リチャードソンのあるコメントが目に留まった。

「ハリーから記録を奪うためなら何でもするつもりだよ」

そう言い放つリチャードソン。
一体何のことなのだろうか。

ラブレイセンホームの大会で宣戦布告

(中央)ハリー・ラブレイセン

『ロッテルダム Six Days』は、ヨーロッパを中心に長い歴史を持ち、ライトや音楽など派手な演出などからも人気の高いレースイベントである「SixDay」のロッテルダム大会。

オランダのロッテルダムでも例年開催されており、近年ではハリー・ラブレイセンが地元で優勝を飾り、大会をさらに盛り上げてきた。

いわば、ハリー・ラブレイセンにとっては、自身の活躍を自国ファンが楽しみにしているホームイベント。
そんな大会へ、リチャードソンの参戦が今回決定したのだ。

※開催地や開催年によって「Sixday」「Sixdays」と標記が異なる。More CADENCEでは総称を「SixDay」と統一。
※2025年1月に日本チームが参戦した『SixDays Weekend Berlin 2025』についてはコチラ

参照:WielerZesdaagse Rotterdam公式ニュース(2025年9月11日)

狙うは“バンクレコード”の更新

9月11日のニュース内で紹介されているコメントで、リチャードソンが言い残した「記録」。

この「記録」とは、ハリー・ラブレイセンによって樹立された、会場のロッテルダム・ベロドロームの“バンクレコード”のこと。

ラブレイセンが2024年大会に樹立した200mFTTの「9秒674」を示している*。

リチャードソンと言えば、2025年8月にラブレイセンらも成し得ていない“人類初”の200mFTT「8秒台」を記録した選手。
この「8秒台」はレース中ではなく、記録更新に特化した挑戦で達成された記録だったが、現在“世界最速”のリチャードソンが、ロッテルダムにて「9秒674」を更新するのは大いに可能性のある話だ。

※『ロッテルダム Six Days』は1周200mのベロドロームで開催されている可能性がある。

以下9月11日の大会公式ニュースにて紹介されているリチャードソンのコメントをお届けする。

マシュー・リチャードソン コメント(意訳)

「ロッテルダム Six Daysの良い評判をたくさん耳にしていますし、過去開催の動画などもたくさん拝見してきました。今大会で私は、ハリーから記録を奪うためなら何でもするつもりです。
どうなるか分かりませんが、私はそのつもりです。
スプリント種目で彼に挑むなんて無謀かもしれませんね。でも私は銀メダルで終わるつもりはありませんよ!」

まずは10月の『2025世界選手権トラック』必見!

本記事で紹介したのは12月に開催される『ロッテルダム SixDays』に向けたリチャードソンのコメント。
しかし、まずは何と言っても、10月22日から開幕する『2025世界選手権トラック』にご注目いただきたい。

もちろん、この世界最高峰の2選手は出場予定。そして、そこへ日本チームの精鋭がどう割り込んでいくのか、要注目だ。

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