2025年8月22日より、静岡県・伊豆ベロドロームで幕を開けた『2025全日本選手権トラック』。
大会2日目、23日に実施された男子マディソン、そして男子スクラッチのレース結果をお伝えする。
マディソンとは?
2人1組での出走、交代時の手つなぎリレーが特徴的な種目。10周ごとのスプリント周回で1着に5ポイント、2着に3ポイント、3着に2ポイント、4着に1ポイントが与えられ、最終的な合計ポイントが多いチームが勝利となる。
橋本英也・窪木一茂の猛攻
120周・30kmで行なわれたレース。
レースの中心となったのは、アジアチャンピオンコンビ=橋本英也・窪木一茂によるHPCJCチーム、松田祥位と兒島直樹からなるJIK(日本競輪選手養成所)、そして山本哲央と梅澤幹太のチームブリヂストン、河野翔輝と矢萩悠也のチームブリヂストンレッドの4チーム。
なかでも、勢いを見せたのはHPCJCチーム。
橋本が位置を整え、窪木のスプリントで決める。淡々と、しかし着時にポイントを重ねていく。
7回目のポイント周回を終えたところで、HPCJCチームは31ポイントを奪取。2位はJIK、チームブリヂストン、チームブリヂストンレッドの3チームが15ポイントで並ぶ。
JIKチームの反撃
そこから、反撃の狼煙を挙げたのはJIKチーム。先頭を走る4チームから単独でアタック。このアタックが成功すると、ぐんぐんとペースを上げていく。
ラップするか、しないか
残り35周付近ではHPCJCチームらに追いつく目前まで迫ったJIKチーム。
ここで追いつくとラップ(1周追い抜き)成立で20ポイントのボーナスポイントをもらえるが、なかなか集団に追いつかず離れずの絶妙な距離を取り、5ポイント獲得を続けていく。
満を持してのラップ そして…
3度続けて5ポイントを獲得したJIKチームは、残り15周で満を持してメイン集団をラップ。20ポイントのボーナスポイントを加え、合計を50ポイントまで伸ばして暫定トップとなった(2位のHPCJCチームは37ポイント)。
会場が沸いたのは、その直後(残り10周)のポイント周回。
逆転されたHPCJCチームは1着5ポイントを奪いにいき、松田(JIK)と橋本(HPCJC)の激しい先頭争いとなるが、松田がここを譲らず1着5ポイントを獲得。
勝負どころを凌いだJIKチームは、最後のポイント周回でも1位=10ポイントを得て、最終65ポイントで優勝を決めた。
HPCJCチームが2位、チームブリヂストンが3位。競輪選手になるために日々トレーニングを続けるJIK所属の候補生が、中長距離種目(しかもチーム種目)で優勝する、という史上初の快挙となった。
順位 | 所属 | 選手名 | ポイント |
1位 | JIK | 松田祥位 兒島直樹 |
65 |
2位 | HPCJC | 橋本英也 窪木一茂 |
44 |
3位 | チームブリヂストン | 山本哲央 梅澤幹太 |
28 |
男子スクラッチ
2日目は同じく中長距離種目の男子スクラッチも実施。複数の選手が断続的にアタックを仕掛け合う展開のなか、残り10周付近で飛び出した橋本英也がそのまま逃げ切り優勝を飾った。
順位 | 所属 | 選手名 |
1位 | 橋本英也 | JPCA |
2位 | 岡本勝哉 | チームブリヂストンサイクリング |
3位 | 河野翔輝 | チームブリヂストンサイクリング |