サンタさんをきっかけにジュニアチャンピオンへ

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成長を感じること それが原動力

Q:水谷選手は、オリンピックに出たいという強い渇望みたいな物はありますか?

もちろん出場できたら嬉しいし、そのために頑張っているのですが、正直そこまで強いこだわりはないんです。オリンピックでこういう成績を出したいっていう具体的な目標もなくて。

Q:では、競技に取り組む上でのモチベーションはどこにあるのでしょうか?

自分自身の成長ですね。結果というより、走り。『ジャパントラックカップ』でも、これまですごくキツかったペースに対応して、さらにそこからアタックできるようになった。成長を感じることができました。日々の練習でも、自分の成長を感じられるとすごく嬉しいんです。他の選手と比較すると、ちょっと特殊なタイプだと思います。

水谷彩奈,MIZUTANI Ayana, 女子オムニアム, WOMEN Omnium, 香港インターナショナルトラックカップ I, 2025 HK INTERNATIONAL TRACK CUP HONG KONG

Q:そもそも、自転車競技自体に執着心がないということでしょうか?

他の競技でも構わない、という意味ではそうですね。でも、自転車に乗ることはすごく好きです。風を切って走る疾走感がすごく気持ち良い。その面ではロードはすごく好きなのですが、競技となると勝ち負けもあるので、ロードをやりたいという願望があまりないんですよね。

Q:では橋本英也選手のように、休日も自転車ライフを満喫しているのでしょうか?

あ、そこまでではないです(笑)。休む時は休ませてほしいです。英也さんは別格です(笑)。

良い感じの生活がしたい

Q:現在は日本体育大学に在学中(2年生)。将来は色々な選択肢があると思いますが、大学生としての目標は?

しっかり単位を取って、良い成績で卒業したいです。

Q:卒業後、競輪選手になるという選択は?

お金を稼ぎたいので、競輪選手はとても良いなって思っています!自転車ってすごくお金のかかる競技なので、親に負担をかけているのが本当に申し訳ないと感じています。日々の生活を充実させるために、お金は必要だと思います。

Q:大金が欲しいわけではない?

自分が困らない、少し余裕があるくらいにはなりたいですけれど、必要な分だけあれば良いと思っています。

現実派の変わり者?

Q:お話を伺っていると、達観しているというか、少し大人びた雰囲気を感じます。

現実的な考え方をするタイプですね。それゆえに、大会では自分の実力以上のものを出せない。「良くも悪くも」な部分だと思っています。

Q:少しパーソナルな話も聞かせてください。好きな食べ物は何ですか?

ブドウと梨です!

Q:では嫌いな食べ物は?

ゴーヤです。苦いものと酸っぱいものが苦手なんです。野菜がすごく苦手で、栄養のために食べてはいるのですが、あまり好きではないですね。

Q:舌は子供ですね(笑)。でも、好きな食べ物を聞いてブドウと梨、と即答するのって独特ですね。

そうですか?小さい頃からそう答えてきています。

Q:窪木一茂選手と初めて会った時を思い出すというか、少し変わっている印象は受けます。

窪木さんは面白くて、すごく好きです。でも確かにちょっと……独特ですね。私も、変わってる、面白いとは良く言われます。でも、自分ではどこが面白いのか本当に分からないんですよ。

全トラは自分の現在地を確かめる大会

Q:8月に控える全日本選手権。“お姉様方”も海外遠征から帰ってきますが、出場予定種目は?

中長距離種目は全部エントリーする予定です。ヨーロッパで武者修行をしているお姉様方は、すごく強くなっていると思います。しばらく一緒に練習していなかったので、自分がどのくらい戦えるようになっているのか、ワクワクする気持ちが大きいですね。

Q:出場する種目の中でも、特に好きな種目は?

得意なわけではないのですが、エリミネーションは好きですね。

水谷彩奈, MIZUTANI Ayana, JPN, ジャスミン・リヒティ, LIECHTI Jasmin, SUI, 垣田真穂, KAKITA Maho, JPN, 女子エリミネーション, WOMEN'S Elimination, 2024トラックネーションズカップ ミルトン, 2024 UCI TRACK NATIONS CUP Milton, Canada

Q:では、注目してほしい種目は?

スクラッチとポイントレースです。強い人に着いていけば、雪崩れ込んで勝てるパターンもありそうだなと思っています。

Q:……つまり、おこぼれ頂戴作戦ですか?

そんな感じです(笑)。

Q:良い成績を出せば、世界選手権の切符も手に入る可能性があります。

現実的に考えると、強い選手がたくさんいるので……でも、今後に繋がる大会であることは間違いないので、頑張ってチャレンジして、自分の持てる力をすべて出して、得られた課題を次に繋げていきたいなと思います。

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