5月29日~6月1日に実施された『ジャパントラックカップ』に引き続き、『JICF Internaitonal Track Cup(JICF国際トラックカップ)』が千葉駅近郊のTIPSTARドームで6月7日、8日と開催された。7日に実施された男子スプリントには『ジャパントラックカップ』から引き続きレイ・ホフマンを中心としたオーストラリア勢、ナショナルチームからは三神遼矢、高橋奏多、チーム楽天Kドリームスから中石湊、そして自転車競技のデビュー戦となる尾野翔一(JPCA)など計30人が出走した。

男子スプリント, JICF International Track Cup 2025

尾野翔一

男子スプリント

今大会は予選の200mフライングタイムトライアルを経て、トップ8が対戦へと進出する形。予選を突破し、準々決勝からは2本先取の対戦となる。

予選結果
順位 選手名 チーム タイム
1 レイ・ホフマン オーストラリア 9.57
2 三神遼矢 日本 9.85
3 中石湊 チーム楽天Kドリームス 9.89
4 尾野翔一 JPCA 9.92
5 ダニエル・バーバー New South Wales Intitute of Sport 9.92
6 テイト・ライアン South Australian Intitute of Sport 9.96
7 高橋奏多 日本 9.99
8 ライアン・エリット オーストラリア 10.04

多くの選手がタイムを出すことに苦しむ中、圧倒的なスピードを見せて予選をトップ通過したのはオーストラリアのパリ五輪スプリント代表のレイ・ホフマン。日本ナショナルチームに所属する4人も、自転車競技のデビュー戦となる尾野を含めて予選を通過した。

予選リザルト

尾野 人生初となる対戦

予選後、対戦形式となった準々決勝。

尾野は予選5位のダニエル・バーバーとの対戦。1本目は終始後ろから攻める形で追いつかず2着。

そして 2本目は内側、レースを前で進める形でのスタートとなった。レースは尾野がバンクの上部に位置しながら、後ろから仕掛け時を狙うバーバーを見ながらゆっくりと進んでいく。残り1周半、レースが動き出す。バーバーが尾野の内側のスペースを突いて前に出ると、一気に後手に回った尾野。

バーバーが加速していくと、必死に追いかけていくが並びかけることは叶わず。バーバーが尾野との勝負をストレートで制して準決勝進出を決めた。

三神vs高橋の日本人対決

準々決勝での日本人対決は三神(予選2位)と高橋(予選7位)。一本目を三神が制しての2本目。後ろ攻めとなった三神が外から、そして内からと仕掛けるが、高橋が上手く進行を阻止して前をキープする。しかし最終周回に入って三神が猛加速していくと、三神が押し切って先着。

高橋との勝負をストレートで三神が制し、準決勝進出を決めた。

準決勝 三神vs中石

予選2位の三神と予選3位の中石の勝負。レースは中石が1本目を制し、迎えた2本目。残り1周半を切って前で加速していくのは三神。しかし後ろからバンクの傾斜を利用して猛加速していく中石が最終周回の3コーナーで並びかけると、最後には三神をかわして先着。決勝戦進出を果たした。

決勝 中石vsレイ・ホフマン 強みを活かしての優勝

予選を圧倒的なスピードでトップ通過したレイ・ホフマン(オーストラリア)と中石とのレースとなった決勝。レースは1本目、ホフマンが終始前となり逃げ切って先取し、優勝へのリーチをかける。

2本目。中石が前、ホフマンが後ろでレースがスタートする。どのようなレースになるのか、様子を行う段階かと思われたが、半周も走らない早いタイミングでホフマンが前に出ていく。ゆっくりと、内から外へと中石を壁に押し込むような形でレースは進み、残り1周半。主導権を握って先に動き出したのはホフマンとなった。スピードを上げて中石をけん制しながら最終周回へと入っていく。

持ち前の加速力を活かしたホフマンが前でグングン加速していくと、中石はなかなか追いつかない。

最終ストレートでも中石はホフマンに並ぶことができず、ホフマンが逃げ切って男子スプリント優勝を決めた。

3位決定戦 三神vsバーバー

三神とバーバーの3位決定戦。レースは1本目を三神が制しての2本目へ。三神が前で進んでいき、ペースを速めに上げていく。バンクを広く使いながら三神が上下に動き、相手との距離を保ちつつ進んでいき最終周回へ。

スプリント体制に入った三神がスピードに乗ると、バーバーを寄せ付けず、最後は自転車2つ分ほどの差をつけて三神が先着。この勝負をストレートで制した三神が表彰台のスポットを得た。

最終結果は1位にレイ・ホフマン、2位に中石湊、3位が三神遼矢という結果となった。

順位 選手名 所属
1位 レイ・ホフマン HOFFMAN Leigh オーストラリア
2位 中石湊 日本
3位 三神遼矢 日本

リザルト

男子ケイリン

そして8日には男子ケイリンが実施された。31人が出走し、決勝に残ったのは以下の6人。

選手名 チーム
三神遼矢 日本
中石湊 チーム楽天Kドリームス
尾野翔一 JPCA
ライアン・エリオット オーストラリア
カン・ソジュン 韓国
チェ・ウリム 韓国

このレースは残り1周半で中石が後方から加速していき先頭へ。最後はエリオットとの僅差となったが、中石が逃げ切って先着。

初日のスプリントの雪辱を果たす形で優勝を決めた。2位はライアン・エリオット、3位にカン・ソジュン。尾野は惜しくも表彰台を逃して4位、三神は6位。なお、初日のスプリントで中石を下したレイ・ホフマンは7-12位決定戦回りで1着、最終成績を7位とした。

順位 選手名 所属
1位 中石湊 チーム楽天Kドリームス
2位 ライアン・エリオット オーストラリア
3位 カン・ソジュン 韓国

リザルト