2025年5月29日から6月1日にかけ、静岡県の伊豆ベロドロームで『2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ』が開催される。自転車競技の国際大会で、アジアを中心とした各国から選手が集まり、レベルの高いレースが行われる。
編集部はこの大会を「自転車トラック競技観戦の入門」としておすすめしたい。大会の概要をお伝えしつつ、その理由を説明していこう。
理由その1:日本で行われる国際大会
トラック競技入門におすすめな理由その1が、「日本で行われる国際大会」である点だ。
世界トップ選手のレースを日本語で観戦できる
日本で行われる自転車トラック競技の大会はいくつかあるが、「国際大会」となるとかなり数が限られる。ジャパントラックカップは、そんな「日本で世界の走りを見られる」数少ない大会だ。
特に2025年大会は、ニュージーランドからエルレス・アンドリュースが参戦予定。『パリ2024オリンピック』女子スプリントとケイリンの両方で金メダルを獲得した、世界トップ選手の走りを見ることができる。

また、そのようなレースを「日本語の解説つき」で見られることも重要なポイントだ。
世界選手権やネーションズカップなどの国際レースを配信映像で見ることはできるが、そこに日本語の解説は加えられない。トラック競技初心者にとって「今何が起きたの?」がわからないのはストレスポイント。海外のトップ選手の走るレースが日本語で進行され、日本語で解説が聞けるジャパントラックカップは、初心者にこそおすすめの大会と言える。
お馴染みの選手の走りが見られる
日本の自転車文化を下支えする「競輪」。トラック競技選手として活躍する選手は「競輪選手 兼 トラック競技選手」という場合も多いため、競輪ファンの方からすれば「競輪で知ってるあの選手が走っている」という見方ができる。
先ほどニュージーランドから来日するアンドリュースをご紹介したが、初心者からすれば「なんかすごいらしい外国の選手より、知ってる選手を応援する方が楽しい」ということも往々にしてあるだろう。「馴染みの選手」というとっかかりがある分、楽しんで観戦していただけそうだ。

また現在日本のトラック競技のレベルはかなり高いものになっており、2025年現在は山﨑賢人・窪木一茂・佐藤水菜という3人の世界チャンピオンを擁している。日本勢だけでも「世界トップレベル」と言える状態の中、海外からの選手も招いて「一粒で二度美味しい」大会となっている。
理由その2:大会日程と生配信
平日・土日両方にかかる日程
2025年のジャパントラックカップは5月29日(木)〜6月1日(日)の4日間にかけて実施される。YouTubeでの配信も行われる。
ポイントは、木金と土日……平日と土日両方にかかった日程となっている点だ。平日がお休みとなる方、土日がお休みとなる方でも、配信で気軽に「のぞき見」がしやすいだろう。
全プロの3日後の開催
またもうひとつのポイントとしては、ジャパントラックカップの数日前に、競輪選手によるトラック競技の大会『全プロ』が行われることも挙げられる。
青森競輪場で行われる全プロこと『全日本プロ選手権自転車競技大会』は、普段は競輪を走る選手たちが、トラック競技を「ガチ」で競い合う大会。競輪と競技タイプの近い短距離種目だけでなく、チームパシュートやエリミネーションのような中長距離種目も実施される。
全プロで「トラック競技」に興味を持った方に対して、その3日後に開催されるジャパントラックカップは、シームレスにご紹介しやすい大会だ。ぜひ軽い気持ちで、ジャパントラックカップの配信を覗いてみてほしい。
理由その3:実施種目
全部で4日間の日程となっている『ジャパントラックカップ』だが、その構成は少し特殊だ。
5月29・30日が『ジャパントラックカップⅠ』、5月31日・6月1日が『ジャパントラックカップⅡ』。連続して2大会が実施されることとなっている。
実施種目(男女共通):
短距離 | 中長距離 | |
I | スプリント ケイリン |
エリミネーション オムニアム マディソン |
II | スプリント ケイリン |
スクラッチ エリミネーション ポイントレース マディソン |
レース実施数・観戦チャンスが多い
短距離はスプリントとケイリンのみ。中長距離種目は少しわかりにくかもしれないが、『ジャパントラックカップⅠ』では4種目の総合成績を競う「オムニアム」が行われる一方、『ジャパントラックカップⅡ』ではオムニアムの種目を単独種目として行うため、内容としては「ほとんど同じものを2回実施する」ような構成となっている。
2日間にぎゅっと種目を詰め込み、それをもう1回繰り返すので、観戦する側は「ずっとレースが行われている」ように感じられるだろう。目まぐるしく行われるトラックレースを、休むことなく楽しめる。
加えて、例えば「女子ケイリンを見たい」と思っている場合、4日間を通じて女子ケイリンは2回行われるため、お仕事や学校の予定が被っていてもリアルタイム観戦がしやすい利点があるとも言える。「初心者なので全部見るのは疲れるが、つまみ食いでちょっとだけ見てみたい」と言う方も、一発決勝の種目も多いため、軽い気持ちで覗きやすいだろう。
(余談となるが、このようなスケジュールのため、選手や取材する側は「1年で一番過酷な大会」と感じている大会でもある)
実施種目がコンパクト
世界選手権などでは5日間かけて10種目近く行われることもあるトラック競技だが、本大会では実施種目がかなり絞られている。
トラック競技初心者にとってネックとなることの一つは「種目の多さ」や「それぞれのルールの把握」だろう。実施種目が絞られている本大会なら「とりあえずこれだけ把握しておけば大丈夫」と予習ポイントを絞って観戦することができる。もしルールが把握しきれていなかったとしても、日本語のレース進行と解説付きで観戦できるため、海外レースを見るよりは理解がしやすい。
また複数日程観戦ができる方は、同じ種目が2回行われるので「前回のおさらい」をしながら見て、より深くトラック競技を理解することもできるだろう。
こちらのページでトラック競技の各種目のルールや見どころをわかりやすく解説している。ぜひ観戦の参考にしていただきたい。
▶︎MAKE it HAPPEN 「自転車トラック競技とは」
トラック競技入門におすすめ『ジャパトラ』は5月29日から開催

『2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ』は2025年5月29日から4日間にかけて開催される。「トラック競技ってどんな競技なんだろう?」というビギナーの方こそ、ぜひこの機会にレースを楽しんでいただければ幸いだ。
More CADENCEでは『2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ』配信情報ほか、新情報が発表され次第随時お知らせしていく。大会関連情報は「ジャパントラックカップ2025」のタグでまとめていくので、ぜひ引き続きチェックしていただきたい。
大会概要
開催日:2025年5月29日(木)〜6月1日(日)
開催地:伊豆ベロドローム(静岡県)
観戦情報:5月29日(木)-30日(金)は無料。5月31日(土)、6月1日(日)はエントランスにて500円(現金のみ/高校生までは全期間無料)
大会情報ページ:https://japantrackcup.com/
ついに「アルカンシェル」が日本で!五輪王者も参戦『2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ』開催決定/5月29日〜6月1日(伊豆ベロドローム)