香港国際大会でエリートデビュー 高橋奏多とは?

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長迫吉拓との運命的な再会

Q:2024年の世界選手権では、ケイリンで銀メダルを獲得しました。

メダル獲得を目標に頑張っていたので、素直に嬉しかったです。

BMXから転向の高橋奏多が男子ケイリン銀メダル獲得/中国・洛陽『ジュニア世界選手権トラック』

ただ、すべてのレースで主導権を握る展開を作れていたので、銀メダルに終わってしまったのは悔しさも残りました。

Q:これまでのレースで、最も記憶に残っているのは?

やっぱり、世界選手権の決勝ですね。悔しさも、手応えも、様々なものを感じたレースでした。

Q:ちなみに、世界選手権はアシスタントコーチとして長迫選手も現地に帯同していました。長迫選手のコーチングはどうでしたか?

素晴らしかったです!

Q:言わされてる感じが(笑)

いや、本当に素晴らしかったです(笑)。ナショナルチームや強い選手をずっと見てきている方ですから。「わからないことあったらなんでも聞いて。何回でも説明するから」と言っていただいて。実際に、休憩中でも、ホテルでも、多くのことを教えてもらいました。本当に感謝しています。上野コーチと2人で、自分の脚質を踏まえた戦略のアドバイスもしていただきました。

Q:長迫選手にとってはコーチングする立場としてのデビュー戦であり、高橋選手にとっては世界選手権のデビュー戦でした。トラック競技を始めるきっかけとなった長迫選手と、その瞬間が重なるというのもすごいですね。

運命の赤い糸を感じますよね。

高橋奏多, ジュニア 男子チームスプリント3位決定戦, MEN'S Junior Team Sprint Final for Bronze, 2023アジア選手権トラック, 2023 Asian Track Championships Nilai, Malaysia

エリートデビューは楽しみ

Q:4月19日から始まる、『香港インターナショナルトラックカップ I / II』への出場が迫っています。

エリートカテゴリーの公式大会は初めてですし、どういうメンバーが出場するのかもわからないですが、楽しみです。とにかく自分のベストを出しきって、できるだけ1位に近い順位を取りたいです。

Q:強力な相手になるのは、日本人選手となる可能性も……。

三神(遼矢)さんからも同じことを言われましたが、それも含めて楽しみです。
トレーニングでは一緒に走っていますが、本気の勝負をする機会は多くないので。

Q:あらためてですが、高橋選手の脚質、選手としての特徴を教えてください。

BMX出身なのでダッシュ力が売りです。

高橋奏多, TAKAHASHI Kanata, JPN, 男子ジュニアスプリント 予選, MEN'S Junior Sprint Qualification 200mFTT, 2024ジャパントラックカップ II, 伊豆ベロドローム, 2024 Japan Track Cup II, Izu Velodrome, Japan

オリンピックが与えてくれた日本人としての自信

Q:ちなみに、スプリントとケイリンだとどっちが好きですか?

難しいですね……。

Q:チームスプリントを選択肢に入れたら?

それならチームスプリントです(笑)。
でも、ケイリンもスプリントもメダル取っているので、“好き度”でいえば同じくらいですね。

高橋奏多, TAKAHASHI Kanata, JPN, 男子ジュニア スプリント 決勝, MEN'S Junior Sprint Final for Gold, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India

Q:パリオリンピックは見ていましたか?

見ていました。惜しくもメダルには届かなかったですが、同じ日本人の選手が活躍しているのを見て、ここまで戦えるんだ、とすごく自信になりました。

Q:現在世界チャンピオンというタイトルを持つ山﨑賢人選手、佐藤水菜選手、窪木一茂選手をはじめ、現在のナショナルチームは選手層がとても分厚いです。そのなかで、こういう選手になりたい、という思いはありますか?

この人になりたい、という明確なものはないですが、先輩方全員のいいところを身につけた選手になりたいです。

Q:山﨑選手のアフロも取り入れたいということですか?

いや……その質問は良くないと思います(笑)。

Q:間近でアルカンシェル(世界チャンピオンのみが着れる虹色のジャージ)を見て、いかがですか?

……(しみじみと)かっこいいですよねぇ。
アフロにしようか、迷うくらいです(笑)。

山﨑賢人,男子ケイリン , Men's Keirin, 2024世界選手権トラック バレラップ, 2024 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

Q:競技における長期的な目標はどうでしょう?

もちろんオリンピックには出たいですし、世界選手権でも活躍できる選手になりたいです。

Q:香港でのレースを終えたら、養成所入りも控えています。最後に、競輪選手としての目標も教えてください。

わかりやすい目標としては、G1を勝つこと、KEIRINグランプリに出ることです。ただ芯の部分は、車券を買っている人を含めすべての人が納得するようなレースをして、みんなから愛される競輪選手になれたら良いなと思っています。