アメリカ自転車競技連盟が、2025年の「フランツ・エデルマン賞」を受賞。
『パリ2024オリンピック』女子チームパシュートでの金メダル獲得につながった「プロジェクト4:05」が評価されてのものとなる。
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“分析分野のノーベル賞”フランツ・エデルマン賞とは?
国際的な学術団体である「INFORMS」が授与する、社会の困りごとを科学的に解決する「オペレーションズ・リサーチ(OR)」分野の賞で、“分析分野のノーベル賞”とも評される権威ある賞典。
1972年から始まったもので、2022年にはチリ保健省の「COVID-19パンデミックへの対応戦略」が受賞しているほか、過去の受賞者には米大手スーパー・チェーンの「ウォルマート」、「ヒューレット・パッカード」など名だたる大企業・団体が並ぶ。
悲願の金をもたらした「プロジェクト4:05」
女子チームパシュートでパリオリンピック金メダルを獲得するためにスタートした「プロジェクト4:05」。
機械学習・リアルタイム分析を駆使して金メダル獲得に必要とされる目標タイムを「4分05秒」と予測したうえで、選手選考やレース戦略、空力効率の最適化を推進。
ジェニファー・バレンテ、リリー・ウィリアムズ、クロエ・ダイガート、クリステン・フォークナーのメンバーで挑んだ本番では「4分04秒306」というタイムを記録し、アメリカにこの種目史上初の金メダルをもたらすこととなった。

(中央・左から)リリー・ウィリアムズ, ジェニファー・バレンテ, クリステン・フォークナー, クロエ・ダイガート
Amazonを退けての受賞
ちなみに、今年のフランツ・エデルマン賞のファイナリストには「Amazon」もノミネートされていた。データ活用などの分野において明らかにトップの企業(のはずの)Amazonを退けて、アメリカ自転車競技連盟が受賞したと聞くと、なんとなくインパクトの大きさがわかるであろう。
スポーツにおける科学的アプローチやデータの重要性はすでに認知が進んではいるが、今回のアメリカ自転車競技連盟の偉業達成によって、今後さらにデータ活用が研究されていくことが予想される。