2月21日の開幕から、マレーシア・ニライで連日熱戦が繰り広げられている『アジア選手権トラック2025』。
4日目・2月24日には男子ポイントレースが行なわれ、山本哲央が初出場となるアジア選手権個人種目の舞台で金メダルを獲得した。逆転に次ぐ逆転劇となったレースの模様をお伝えする。
男子ポイントレース
レースは160周、40kmの戦い。10周毎にポイント周回が設けられており、4着までが着順に応じたポイント(1着5P、2着3P、3着2P、4着1P)を得る。メイン集団を追い抜いた場合には特別に20ポイントを獲得可能。最終的に最もポイントを得た選手の勝ちとなる。
男子ポイントレースには13人が出場。
日本からは、チームパシュートのメンバーとしても活躍した山本哲央が出場。アジア選手権の個人種目への出場は、これが初となる。
波乱前の序盤
レースは男子特有のスピードレースとなったが、アタックなどは成功せずに集団が一つになって進んでいく。序盤の山本はポイント周回で1着は獲れなかったものの、着を重ねて徐々にポイントを積み上げていく。
残り100周を切り山本は暫定2位。トップはアリシャー・ズマカン(カザフスタン:11P)、山本10ポイント、ミン・キョンホ(韓国:8P)。
ズマカンと山本は安定した走りでポイントを重ねていき、折り返しとなる残り80周ではズマカンが15ポイント、山本が12ポイントとなる。
エンジン始動の山本
残り70周でこの日1回目となる山本の1着(通算17P)、ズマカンは2着(通算18P)となり、トップ争いが激化していく。
この辺りから山本が集団のペースを上げては戻ってを繰り返す形となり、お互いの体力が削られていく展開が始まる。
残り60周で山本が1着(5P)を得ると、遂に山本が暫定トップに浮上する。ズマカンは4着(1P)を得たため、山本が3ポイントのリードを得る。
残り50周ではズマカンが2着(3P)、山本が3着(2P)でポイント差を詰められてしまう。そして次のポイント周回ではズマカンが1着(通算27P)、山本が3着(通算26P)と再びズマカンが逆転。
山本とズマカンの熱戦が繰り広げられていく。
山本、アタック!
残り30周のポイント周回。山本はズマカンの後ろからかわしていき2着を得ると、アタックをしていく(この時点では両者29Pで同点)。
前は4人、後ろも4人に。そしてズマカンは後ろに取り残される形となった。
山本を中心とした逃げ集団、ズマカンの追走集団となり、山本にはチャンスだったが、この逃げ集団はペースを上げきることができずに集団は再びひと塊となってしまった。
残り20周。山本が2着、ズマカンが4着となり、再び山本が2ポイントのリードを得ることに成功する。しかし次のポイント周回ではズマカンが2着、山本が4着となり、再びポイント差は無くなって、残すは最終ポイント周回のみとなった。
山本、ズマカン 一騎打ち!
最後の最後まで火花を散らす両者の戦いは最終周回へと持ち込まれる。
先着した方が勝ちとなった戦いはズマカン先行、山本追い込みの形となって最終ストレートへ。
内にズマカン、外に山本となり並んだ両者はほぼ同時にフィニッシュラインを通過。
僅差となった勝負は山本がタイやの厚さ程度(おそらく5㎝程度)の先着。
40km、160周に及ぶ激闘を制したのは山本となり、初出場の個人種目にして、見事にポイントレースアジアチャンピオンの座を射止めることに成功した。2位はズマカン、3位はモウ・チンイン(香港)。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | 山本哲央 | 日本 | 39 | |
2位 | アリシャー・ズマカン | Alisher Zhumakan | カザフスタン | 37 |
3位 | モウ・チンイン | Mow Ching Yin | 香港 | 28 |