2025年1月3日、女子エリートカテゴリーにおいて「1kmTT」と「4km個人パシュート」の初の世界新記録が誕生した。
本記事は、2025年1月8日に更新されたUCIの世界記録一覧をもとにお届けする。
UCI WOMEN ELITE – WORLD RECORDS(AS OF 08.01.2025)
「初」の世界記録ってどういうこと?
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100年以上の歴史を持つUCI世界選手権トラック。なぜ2025年に「初の世界記録が?」と疑問に思う方もいるだろう。
今回新たに樹立された世界記録は女子エリートにおける「1kmTT」と「4km個人パシュート」。
実はこの2種目は、2025年1月1日に誕生した新種目なのだ。
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酒井亜樹(2024全日本選手権トラック・500mTT)
従来は女子エリートカテゴリーにおいて「500mTT」「3km個人パシュート」として実施されていた両種目。2025年1月1日より施行された自転車トラック競技における「競技距離の変更」によって、”新種目”として生まれ変わっている。
以下4種目において競技距離が、2025年1月1日から変更されている。
種目 | 従来の競技距離 | 2025年1月1日以降 |
タイムトライアル | 男子エリート:1km 女子エリート:500m |
男女エリート:1km |
個人パシュート | 男子エリート:4km 女子エリート:3km |
男女エリート:4km |
テンポレース | 男子エリート:10km 女子エリート:7.5km |
男女エリート:10km |
スクラッチ | 男子エリート:15km 女子エリート:10km |
男女エリート:10km |
「初の世界記録」誕生の地はフランス
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競技距離が変更された種目のうち、世界記録の対象となるタイム計測種目は、「1kmTT」と「4km個人パシュート」のみ。
2025年1月3日〜1月5日の期間に開催された『2025フランス国内選手権トラック』にて、”新4種目”を含むレースが実施され、「1kmTT」と「4km個人パシュート」の世界記録が誕生した。
女子エリート1kmTT
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中石湊(2024全日本選手権トラック・1kmTT)
従来男子エリートのみ実施され、極限レベルの”自分との戦い”がゆえの痛みを伴うことから、
「思いっきり足の小指をぶつけに行くような種目…」
「走り終わったら鉄パイプで殴られてるような痛み…」
などと、さまざまに表現される1kmTT。
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タキ マリー ディヴィン・クアメ(2022世界選手権トラック・500mTT)
そんな過酷な本種目の世界記録を初めて樹立したのは、タキ マリー ディヴィン・クアメ。『2022世界選手権トラック』500mTTでも優勝を果たした若手選手だ。
クアメが樹立した記録は「1分08秒399」。男子と同じくTTバーを利用しての記録だ。
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UCI正式種目としては実施されてこなかった女子1kmTTだが、各国での計測は過去にも行われている。フランスの国内記録は、 1993年にナタリー・エヴァンが樹立した「1分09秒839」。
クアメのタイムは、30年以上も破られていなかったフランス国内記録をも更新するものだった。
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加瀬加奈子
日本にも「1分10秒053」という国内記録が存在する。その保持者は元トラック競技日本代表であり、現競輪選手である加瀬加奈子(102期)。2012年の全プロ(前橋)にて樹立された記録だ。
参照:フランス自転車競技連盟, 日本自転車競技連盟