トラック競技における「競走距離」の変更が、UCI理事会による会議で決定された。

5月2日〜4日、イタリアにてUCI理事会による会議が実施。5月4日に決定事項などが公式リリースされ、そのひとつとして上記の「競走距離変更」が発表された。

UCIリリース(2023年5月4日)

4種目が「競走距離変更」の対象に

今回、競走距離の変更の対象となったのはトラック競技の全4種目。男女で競走距離の違っていた種目が以下のように統一される。

種目 2023年現在 2025年1月1日以降
タイムトライアル 男子エリート:1km
女子エリート:500m
男女エリート:1km
個人パシュート 男子エリート:4km
女子エリート:3km
男女エリート:4km
テンポレース 男子エリート:10km
女子エリート:7.5km
男女エリート:10km
スクラッチ 男子エリート:15km
女子エリート:10km
男女エリート:10km

1km / 500mタイムトライアル

短距離のタイムトライアル種目。男子エリートは1km、女子エリートは500mの計測を行い、そのタイムを競う種目だが、2025年以降は男女エリート*とも1kmに統一される。

女子カテゴリーでは従来の500mから1kmへ距離が長くなることで、従来使用していた「ドロップバー」から、男子同様に「パシュートバー」が使用されることが予想される。そうした機材の変更においても、今後注目が集まってくるだろう。

※女子ジュニアも従来の500mから1kmへ変更となり、ジュニアカテゴリーでも男女1kmに統一される。

マシュー・グレーツァーが1kmTTをドロップバーで1分切り!オーストラリアの決断とは?/『コモンウェルスゲームズ2022』

個人パシュート

中長距離のタイムトライアル種目。男子エリートは4km、女子エリートは3kmで実施されていたが、2025年以降は男女エリート*とも4kmに統一される。

個人パシュートは2人の選手がバンクの両側(ホームとバッグ)から同時にスタートし、フィニッシュタイムを競うTT種目である一方、「相手選手を追い抜くと勝ち」というルールが特徴的。

ロードでも活動する選手の活躍が目立つ種目でもあり、男女ともにロードの”TTスペシャリスト”と呼ばれる選手たちの活躍がより期待できそうだ。

※女子ジュニアは従来の2kmから3kmへ変更となり、ジュニアカテゴリーでは男女3kmに統一される。

テンポレース

全4種目の総合得点を競う「オムニアム」のうちの1種目でもあるテンポレース。

男子エリートは10km、女子エリートは7.5kmで実施されていたが、2025年以降、男女エリート*とも10kmに統一される。

※女子ジュニアも従来の7.5kmから10kmへ変更となり、ジュニアカテゴリーでも男女10kmに統一される。

スクラッチ

「バンクで行われるロードレース」とも言われるスクラッチは、、男女エリート*とも10kmに統一。これまでは男子エリートは15km、女子エリートは10kmだった。

他3種目と異なり、スクラッチは女子の距離へ統一される(短くなる)こととなった。

※従来男子10km、女子7.5kmで実施されてきたジュニアカテゴリーでは、男女とも7.5kmに統一される。

「競走距離変更」の趣旨

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