4シーズン目となった『UCIトラックチャンピオンズリーグ』。
ロンドンへと舞台を移した12月7日の最終戦は、女子ケイリン予選中の事故により中止となった。
まさかの結末で幕を閉じた2024シーズンの戦いであったが、12月11日、大会公式リリースにより各カテゴリーの優勝者が発表された。
なお、中止時点で女子中長距離カテゴリーのみ終了済みとなっていたが、ほか3カテゴリーの総合順位ついては、UCIコミセール・パネルの合意により「中止時点でのポイント」に基づいて最終決定された。
全4カテゴリーの優勝者をお届けする。
男子短距離 優勝:ハリー・ラブレイセン
男子短距離は、“絶対王者”たるハリー・ラブレイセン(オランダ)が、ライバルであるマシュー・リチャードソン(イギリス)を下し2023年シーズンに続き連覇を達成。
地元オランダ・アペルドールン(第2・3戦)での2勝を含む、計5勝を飾った。
第1戦でラブレイセンを下したリチャードソンが、計3勝を納め、20ポイント差で総合2位。
第2戦ケイリンを制したクリスティアン・オルテガ(コロンビア)がさらに約30ポイント差で3位となった。
またしてもラブレイセンの強さが証明された大会となったが、男子短距離が「1強」ではなくなりつつあることも再確認できるシーズンとなった。
総合順位 | 選手名 | 国 | 総合ポイント | |
1位 | ハリー・ラブレイセン | Harrie Lavreysen | オランダ | 166 |
2位 | マシュー・リチャードソン | Matthew Richardson | イギリス | 146 |
3位 | クリスティアン・オルテガ | Cristian David Ortega Fontalvo | コロンビア | 115 |
ハリー・ラブレイセン コメント
「2024年シーズンは信じられないほど素晴らしいものでした。UCIトラックチャンピオンズリーグで勝利して締めくくることができて本当に嬉しいです。
スタート時はベストな状態ではなく、特にマシュー(・リチャードソン)との対戦では、非常に厳しいレースが続きました。2023年のタイトルを防衛できたことを本当に誇りに思います。
地元の観客の前で走れたのは素晴らしいことでした。地元でのレースや勝利は常に特別なものであり、それが実現できたことを本当に嬉しく思います」
女子短距離 優勝:アリナ・リシェンコ
女子短距離は、全6勝をあげたアリナ・リシェンコ(AIN:個人中立選手)が圧巻の総合優勝。
ジュニアUCI世界チャンピオンに4度輝き、『2024ネーションズカップ第2戦』ケイリンでは銅メダルを獲得していた 21歳が、初出場のなか世界選手権やオリンピック王者らを相手に、一気にスターダムへと駆け上がった。
今大会でリシェンコが成し遂げた5連勝は、今までの4シーズンでラブレイセンやエルレス・アンドリュース(ニュージーランド)が達成していた4連勝を上回る大会最多記録。
AIN(個人中立選手)という難しい立場ではあるが、スター揃いの女子短距離をさらに混戦化させる存在として要注目だ。
選手名 | 国 | ポイント | ||
1位 | アリナ・リシェンコ | Alina Lysenko | AIN | 159 |
2位 | エマ・フィヌカン | Emma Finucane | イギリス | 123 |
3位 | マーサ・バヨナ | Martha Bayona Pineda | コロンビア | 120 |
アリナ・リシェンコ コメント
「今回がUCIトラックチャンピオンズリーグ初出場でした。
世界トップクラスの選手たちと対戦して総合優勝することができて本当に嬉しいです。トップを維持するのにかなりのプレッシャーを感じていましたが、このような強い選手たちと競う機会を得られたことは私にとって刺激になりました。
デビュー戦で総合優勝を勝ち取ったこと、そして5連勝を達成した初の選手として歴史に名を残したことを本当に誇りに思います!」