10月16日よりデンマーク・バレラップにて開幕した『2024世界選手権トラック』。
大会3日目に行われた女子オムニアムには、内野艶和が出場した。レースの模様をお届けする。

女子オムニアム

スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で総合成績を競うオムニアム

【ルール解説】4つの種目の総合成績で競う種目「オムニアム」

前日のエリミネーションに続きエントリーした日本の内野艶和のほか、パリ五輪の金メダリストであり世界選手権2連覇中の女王ジェニファー・バレンテ(アメリカ)、前日のエリミネーションでそのバレンテを下したアリー・ウォラストン(ニュージーランド)ら24人が出場した。

スタートリストPDF

スクラッチ

7.5km、トラック30周で競われるスクラッチ。最も速く走り切った選手の勝ちとなる。

レースは終盤、残り7周でアタックをしたヤレリ・アセヴェド メンドーサ(メキシコ)が先行して逃げることに成功し1着。2着は集団スプリントを制したアマリー・ディデリクセン(デンマーク)、3着はペトラ・セフチコヴァ(チェコ)となった。内野は終盤に集団の後方に位置してしまい、前に出れずスクラッチの順位を19位とした。

スクラッチ結果PDF

テンポレース

トラック30周、毎周回の先頭が1ポイントを獲得していき、獲得ポイント数を競う。メイン集団を1周追い抜きすると+20ポイントを獲得することも可能なテンポレース。

内野は2種目めで巻き返しのポイントを得ていく。序盤に先頭で2ポイントを獲得し、終盤に逃げていたアリー・ウォラストン(ニュージーランド)を強豪を含む4人で捕えてラップ(メイン集団を1周追い抜き)することに成功し+20ポイントとその道中で更に1ポイントを獲得。合計を23ポイントとし、この種目を2位とした。1位はアリー・ウォラストン、3位はジェシカ・ロバーツ(イギリス)。

テンポレース結果PDF

エリミネーション

2周に1回、最後尾の選手が除外されていくエリミネーション。

最初の除外周回こそ後方で走った内野だったが、その後は前方をキープし、危険な位置を避けながらレースを進めていく。徐々に集団の人数が絞られていくと、残り15人程度のところで後方でクラッシュが発生。中国、オーストラリアなどが落車してレースはニュートラリゼーションとなった。落車した選手たちが復帰し、そして除外されていくと、残るは12人となる。

集団の内側後方に位置した内野が危険な位置にいたため、外に持ち出して加速しようとするが、内野の外への進路をウォラストンが阻んだため前に出ることができず。内野がこの時点で最後尾となり、除外される結果となった。内野はこの種目を12位で終えた。

この種目、最後まで残ったのはバレンテとウォラストン。最終ストレートでのスプリント勝負となった両者の戦いはウォラストンが先着。この種目の1位はウォラストン、2位にバレンテ、3位がアニータ イボンヌ・ステンバーグ(ノルウェー)の結果となった。

エリミネーション結果PDF

ポイントレース

レースは80周、8回設定されたポイント周回で得たポイントが、これまでの積算ポイントに加算されていき、最終的なポイント数で順位を競う。

出走前の暫定順位は以下の通り:

1位:アリー・ウォラストン/104ポイント
1位:アニータ イボンヌ・ステンバーグ/104ポイント
3位:アマリー・ディデリクセン/100ポイント
11位:内野/60ポイント

レースがスタートすると、最初のポイント周回で5ポイントを獲得したのは内野。積極的に序盤から攻める姿勢を見せていく。

しかし、その後はポイントが獲得できずにレースの折り返しとなる残り40周を迎える。

残り37周で内野と強豪3人がアタックするが、このアタックは容認されず残り30周でメイン集団に捕まってしまう。なんとか順位を上げたい内野が大きな動きを見せたのは残り20周を切った終盤。

ヤレリ・アセヴェド メンドーサ(メキシコ)とアタックを成功させると、メイン集団に追いつき+20ポイントを得ることに成功する。そして最後のポイント周回でも3着4ポイントを得た内野は、最終種目で29ポイントを加算し、合計89ポイント、最終成績を7位として女子オムニアムを終えた。

優勝争いは暫定トップのウォラストンがステンベルグをマークしながら、毎回のポイント周回で着実にステンベルグを上回るポイントを得ていく盤石なレースを展開。更に最後は1着10ポイントを得るなど最終的には131ポイントを獲得し、優勝を遂げた。

この種目でのウォラストンの優勝は初となり、単独種目のエリミネーションに加えて個人2冠となる優勝となった。

選手名 チーム ポイント
1位 アリー・ウォラストン WOLLASTON Ally ニュージーランド 131
2位 ジェシカ・ロバーツ ROBERTS Jessica イギリス 119
3位 アニータ イボンヌ・ステンバーグ STENBERG Anita Yvonne ノルウェー 110

最終結果PDF

内野艶和選手 インタビュー

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