レースレポート

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金メダル 佐藤水菜選手インタビュー

Q:金メダルおめでとうございます!

過去一で嬉しかったです!念願だったこの大会で優勝することができてすごく嬉しいです。
男子が2人取って、自分も獲りたいと思いましたし、自分もできるんじゃないかと勇気づけられました。
スプリントで悔しい思いをしたぶん、この種目で優勝したいなと思っていました。この大会に出ていない他国の選手もいるので、来年の世界選手権でもう1度勝って、真の王者になりたいと思います。

Q:1回戦から振り返ってみてどうですか?

1回戦は体がバラバラでもがけていなくて、なかなか噛み合わないなと思っていました。
決勝に向けて調子もあがってきましたが、ギリギリの戦いで、準決勝はラッキーもあったなと思います。
だからこそ、このチャンスはモノにしなきゃいけないな、と覚悟が決まりましたね。

決勝も6番という番号でジェイソンも私も渋い顔になりましたが、絶対にやり切るという覚悟を持って挑めました。

Q:その覚悟が決まった理由は?

1つは、決勝に同じ日本人の梅川選手がいたこと。絶対に日本勢で表彰台を2つ埋めてやると思えました。
もう1つは、決勝までは不完全燃焼のレースが続いていたなか、少し時間が空いたことで気持ちのリセットができたことが大きかったです。

Q:決勝のレースはどういう作戦でしたか?

自分の気持ちとしては、窪木選手のような強い勝ち方をしたいなと思っていたので、残り2周から仕掛けたいと思っていたのですが、コーチは冷静で他の選手が動いたあとこういうレースにしよう、とアドバイスしてくれて、しっかり自分のなかに落とし込んでレースに臨めました。強い勝ち方をしたいなという気持ちがあったからこそ、残り半周の地点であわせられることなく踏み出せたと思います。

Q:とても強い勝ち方でした。

500mTTを見ても、チームスプリントを見ても、地力はヨーロッパの選手には及ばないなと痛感していたぶん、“頭と頭と頭”を使って絶対に勝ち切ると考えていました。
自分としてはギリギリの優勝でしたが、そう言ってもらえるのは嬉しいです。

Q:大会を振り返ってみていかがですか?

体調面でもこれまででいちばん良かったです。ストレスなくレースだけに集中できたのは、チームのスタッフの皆さんのサポートのおかげです。しっかり結果で恩返しすることができてよかったです。
スプリントで、金メダルに届かなかったこともフィードバックをもらったので、次の大会ではスプリントでも金メダルを獲りたいです。すごく前向きになれた大会でした。

3回も真ん中で日の丸があがって「君が代」が流れたので、デンマークの皆さんにも覚えてもらえたんじゃないかなと思います(笑)。

Q:ファンの方に一言お願いします。

初出場から4回目の世界選手権で、ようやく金メダルを獲ることができました!
アルカンシェルを着て出るかはわからないですが、競輪にも出場するのでぜひ応援してください!

梅川風子選手インタビュー

Q:スプリントで悔しい思いをしてのケイリンとなりました。

スプリントはいいタイムを出せましたが、対戦は自分のミスで負けてしまっていたので、ケイリンこそはと思っていました。
攻めきれない気持ちが出てしまっていたので、ケイリンでは同じミスをしてはいけない、と思って臨みました。

Q:2位→4位→3位での勝ち上がり。振り返ってみていかがですか?

初戦をとにかく初戦をいい形で突破する、というところを考えていました。自分のレースに持ち込めたというのが良かったかなと思います。

準決勝は、ジェイソンは残り1周で目をつぶってしまったみたいです。「あいつ何やってんだ」って(笑)。
あの時点でわりと脚がいっぱいで、仕掛けられないなと感じていたので、ワンチャンスにかけて走りました。私としても「このプランだけはやりたくない」というレースでしたが、意外と伸びてよかったです。

Q:決勝の景色はどうでしたか?

感慨深かったですね。ネーションズカップでは決勝に乗ったこともありましたが、全然違いました。
会場の盛り上がりがあったということもありますが、世界選手権で決勝に乗るということの厳しさはよくわかっていたので、「ついにこの舞台まで来たな」と思っていました。ただ、獲りに行くという気持ちには正直なれないくらい、それまでが苦しかったです。

Q:獲りに行くという気持ちにはなれなかったというのは、気持ちの部分ですか?

いえ、気持ちとしては全然満足していたわけではなく、ようやくスタート地点に立ったな、という気持ちでした。
それはよかったのですが、現実的に「獲れないな」と脚が言っていたので……自分の前の選手たちの動き次第という、いわば他人頼みのレースになりました。
そこが、「獲る人」と「獲れない人」の違いなのかなと思います。

ファイナルに乗るまでが一苦労だったこともあり、自分がレースを支配したりとか、自分のタイミングで出ていこうとか、そういう状況ではなかったです。
そういう脚である時点で、大きな差が生まれているのかなという感じはします。

ファイナルで1着を狙えない、展開待ちをしなくてはいけないということ自体が悔しかったですね。
それでも、世界のトップ6として走れて、特別な時間でした。

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