2024UCI世界選手権トラック、女子ケイリン。佐藤水菜が新たな歴史の1ページを刻み、念願の虹色のチャンピオンジャージ・アルカンシェルに袖を通した。

10月16日よりデンマーク・バレラップにて開幕した『2024世界選手権トラック』。
大会最終日に実施された女子ケイリンの模様をお伝えする。

女子ケイリン

日本からは佐藤水菜、梅川風子がエントリー、山﨑賢人に続くアルカンシェル獲得に挑んだ。
そのほか、パリオリンピックのメダリストであるヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)、エマ・フィヌカン(イギリス)ら強豪選手が出場。

1日で行われるレースの勝ち上がりは以下となる。

1回戦(2着までが準々決勝へ)
敗者復活戦(2着までが準々決勝へ)
準々決勝(4着までが準決勝へ)
準決勝(3着までが決勝へ)
決勝

スタートリストPDF

1回戦

梅川は第1組に出走。同組には2023ケイリン銀メダリストのマーサ・バヨナ(コロンビア)も組み込まれた。2着までが準々決勝進出となる。レースは残り1周半、梅川が3番手の位置から先頭に出ると、最終周回では我慢の勝負となる。

先行する梅川に外から並びかけたのは強豪のバヨナ。バヨナが1着、梅川が2着となり、準々決勝進出を決めた。

佐藤は第4組に出走。フランスのエース、マチルド・グロと同組になった。

残り2周で最後尾から佐藤が仕掛けていくと先頭へ、その後ろにグロが位置取り最終周回へ。

佐藤がそのまま押し切るかと思われたが、最後はグロが追い込んで1着。佐藤が2着となり、両者が準々決勝へと駒を進めた。

1回戦結果PDF

準決勝 佐藤と梅川が勝ち上がる

準々決勝は梅川が4着、佐藤が3着で勝ち上がり。
準決勝は2組に分かれて3着まで、合計6人が決勝へと進出する。佐藤は第1組。梅川は第2組と分かれてレースに臨んだ。

佐藤の1組。隊列の5番手となった佐藤は後ろのバヨナを警戒しつつスピードを上げていく。

ワン・リーファン(中国)が前で逃げての残り2周。佐藤が動き出すと、バヨナが続き、佐藤に合わせてケイティ・マーシャン(イギリス)も外に上がってくる。

先頭争いは佐藤とマーシャンとなり最終周回へ。マーシャンが頭一つ抜け出すと、2番手争いは佐藤とバヨナ。

外で佐藤とバヨナが空けたスペースにステフィー・ファンデルピート(オランダ)が入り込んでくると、マーシャンが先着、2着にファンデルピート、3着争いは佐藤とバヨナがほぼ同時に飛び込んでくる。
写真判定の結果、佐藤が先着となり、決勝へ駒を進めた。

梅川の準決勝。梅川が隊列の最後尾から進めたレースは、残り1周まで展開が動かず。

最終周回に入ると3番手のヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)、エマ・フィヌカン(イギリス)、ミリアム・ヴェチェ(イタリア)、そして梅川が一列で動き出して位置を上げていく。ファンデヴォウとフィヌカンが隊列から抜け出して最終コーナーを抜けると、梅川も鋭い加速を見せて3番手へ。

そのまま3人がフィニッシュし、梅川が決勝進出を果たした。

準々決勝結果PDF
準決勝結果PDF

決勝 佐藤が世界を制しアルカンシェルを獲得

佐藤に梅川の日本勢、エマ・フィヌカンとケイティー・マーシャンのイギリス、ヘッティ・ファンデヴォウとステフィー・ファンデルピートのオランダと3カ国2人ずつが決勝に勝ち上がった最終戦。

レースはファンデヴォウ⇒マーシャン⇒梅川⇒ファンデルピート⇒フィヌカン⇒佐藤の隊列。満員の観客の中、周回を刻んでいく。

ペーサー退避の残り3周では隊列は動かずに、残り2周半になるとファンデルピートが位置を上げていき、フィヌカンと佐藤が付いていく。残り2周の時点で先頭を争うのはオランダ勢、後ろにイギリス勢が並走し、日本勢は最後尾に2人となる。

残り1周半でファンデルピートが先頭に出ると、外から更に前に出ていったのはフィヌカン。そしてこの動きについていった佐藤が2番手と絶好の位置を得て最終周回へ。

隊列が加速する中、先頭のフィヌカンをターゲットに一気に加速する佐藤が残り半周で外から仕掛けていくと、前を遮る選手は誰もいなくなり、最終コーナーを立ち上がると先頭でフィニッシュラインを佐藤が駆け抜け1着。

佐藤水菜が日本史上初となる女子ケイリン金メダルを獲得を果たした。

2位にはファンデヴォウ(オランダ)、そして3位にマーシャン(イギリス)、梅川風子は5位という最終成績を残した。

最終リザルト

選手名 チーム
1位 佐藤水菜 日本
2位 ヘッティ・ファンデヴォウ van de WOUW Hetty オランダ
3位 ケイティー・マーシャン MARCHANT Katy イギリス
5位 梅川風子 日本

最終リザルトPDF

選手インタビュー

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