男子チームスプリントの長迫吉拓、太田海也、小原佑太が悔しさを乗り越えて、遂に世界選手権での銅メダルを獲得した。
『2024世界選手権トラック』がデンマーク・バレラップで10月16日に開幕。
初日には男子チームスプリントが実施され、パリ2024オリンピックで世界新記録を樹立したオランダチームをはじめ、強豪国を含めた15チームがエントリー。
日本もパリで5位となり、日本記録を更新した長迫吉拓、太田海也、小原佑太の国内最速チームでオリンピックのリベンジ及びメダル獲得を狙った。
予選⇒1回戦⇒メダル決定戦と勝ち上がるレースのため、最大で1日3本走るこの種目。
予選
予選は1チームずつが単走でタイムトライアルを行っていく。日本チームは全体の11番目の出走となった。
暫定トップはコロンビアの43秒852で迎えた日本チームの出走。
第1走の長迫が勢いよくスタートゲートから飛び出すと、17秒451で太田海也にバトンを渡す。太田海也が12秒3台と好タイムで最終走者の小原へと交代し、フィニッシュタイムは42秒998。暫定トップタイムを約1秒塗り替える好タイムで残りのチームの結果を待つ。
その後はオーストラリアが微差で日本を逆転、そして最終組のオランダが42秒589という圧倒的なタイムで予選トップとなった。
日本は予選を3位で通過し、1回戦進出を決めた。
1回戦
ホームとバックに分かれて、勝ち上がったチームがメダル決定戦に進む1回戦。予選3位の日本は予選6位のコロンビアとの対戦。日本の布陣は変わらず、予選より好タイムを出して決勝進出を目指す。
レースがスタートし、両チームが勢いよく加速していくと、第1走では長迫が大きくコロンビアを突き放してリードを得る。第2走の太田が更に加速して、予選よりも更に良いタイムで第3走の小原へ。そのまま小原が先着し、フィニッシュタイムは42秒744。コロンビアよりコンマ5秒ほど速くゴールへ到達し、全体では3位のタイムで銅メダル決定戦へと駒を進めた。
3位決定戦の対戦相手は予選、1回戦共に4位だったイギリスとなる。
銅メダル決定戦 日本チームは新たなステージへ
ホームに日本、バックにイギリスでスタートした3位決定戦。日本の布陣・走順は変わらず、長迫吉拓が第1走を務める。そしてイギリスチームは日本の競輪でも「短期登録制度」を利用して活躍していたジョセフ・トルーマンが先頭に。このスタートダッシュ勝負を制したのはイギリスで、日本にコンマ3秒ほどの差を付けて第2走者へ。
ここまでの2本で調子の良さを見せてきた太田海也。1回戦では予選から更にタイムを伸ばすパフォーマンスを見せてきたが、メダル決定戦でもその働きは変わらなかった。
パリオリンピックと同じようなスピードを見せて、イギリスを逆転して最後の小原にメダルを託す。
最終走者の小原は長迫と太田が作ったリードを保ち、イギリスにコンマ5秒ほどの差をつけてフィニッシュ。
日本チームが42秒877の好タイムで先着。見事に日本史上初となる男子チームスプリントでの銅メダル獲得を果たした。
そして金メダル争いはオーストラリアとオランダの頂上対決。この勝負をハリー・ラブレイセン率いるオランダトリオが制し、金メダルを獲得した。
チーム | 選手名 | 決勝タイム | ||
1位 | オランダ | ジェフリー・ホーフラント ハリー・ラブレイセン ロイ・バンデンバーグ |
HOOGLAND Jeffrey LAVREYSEN Harrie van den BERG Roy |
42.046 |
2位 | オーストラリア | トーマス・コーニッシュ ライアン・エリオット レイ・ホフマン |
CORNISH Thomas ELLIOTT Ryan HOFFMAN Leigh |
42.673 |
3位 | 日本 | 長迫吉拓 太田海也 小原佑太 |
42.877 |