“ネガティブ”になった理由とは?
Q:ネガティブになったというのは、スクラッチの結果(5位)を受けて?
いえ、チームパシュートやチームスプリントなどの種目を見て、ほかの国の仕上がり、レベルの高さを感じていたんです。
テンポレースは、中盤から終盤にかけて勝負をかけるほうが失敗はしにくいと思っています。でも、それが悪い方に働いて、消極的になってしまった。序盤先頭付近にいた時に、仕掛けようかなと思ったところでも出遅れてしまって。周りにイーサン・ハイター(イギリス)がいたことで、牽制してしまったんです。そのままずるずると行って、最後のスプリントでも浮かされてしまい……結局15位。中途半端な、消極的な走りで最悪な順位をとってしまいました。
エリミネーションで除外された時は、内側でイーサン・ハイターの後ろにいたんです。有力選手なので、ここにいれば絶対大丈夫と思い込んでいたところで、外からほかの国が仕掛けて終わってしまった。力を貯めていこう、ずるくずるく行こうとして、自分の力を出しきれませんでした。
Q:その結果、最終のポイントレースでは序盤から動いていった?
ダニエルからも喝を入れられて、やるしかないと切り替えてポイントレースに挑みました。最初から行ってやろう、という気持ちでした。
攻撃は最大の防御
Q:4年に1度の舞台。自分に勝てる力があると思っていればいるほど、大事にいってしまう部分はありますよね。
やっぱり結果を残せるのは、自分で位置を取りに行ったり、仕掛けられる選手なんだと思います。特にレイタオと、ファビオ・ファンデンボッシェ(ベルギー/銅メダル)はスクラッチから積極的に行っていました。
これはオリンピックに限らずですが、オムニアムにおいて、トップで最終種目を迎えると守りに入ってしまうというケースがあります。本来であれば上位選手が攻撃することで、他の選手が苦しむはずなのに。“攻撃は最大の防御”ということは理解していたつもりですが、オリンピックではそれが実現できなかったですね。
それから、ベンジャミン・トマに対するマークも甘かったです。ネーションズカップ第3戦(1位:ハイター/2位:窪木/3位:トマ)でトマに勝てたことで、意識がハイターのほうに向きすぎました。落とし穴でしたね。トマにとっては自国開催で、もともと力もある。そういう選手をマークしなかったというのは失敗でした。慢心もあったのかもしれません。
不甲斐ない走りはできない
Q:その悔しい経験を経ての世界選手権。アルカンシェルを狙っていきますか?
アルカンシェルはそこまで意識はしていません。日本代表として出るからには、不甲斐ない走りはできないという想いのほうが大きいです。団抜きでもしっかりと準備できればタイムに期待できますし、マディソンもメダルを期待してもらってると思います。今回も出場するすべての種目に全力で取り組んで、しっかりと責任と期待に応えたいですね。
他国のエントリー状況はまだぜんぜん見てないので、More CADENCEでチェックします(笑)。