リオ大会以来、自身2度目となるオリンピックの舞台で、チームパシュート、マディソン、オムニアムの3種目に出場した窪木一茂。
マディソン、オムニアムではいずれもメダルまであと一歩届かぬ6位という結果となった。
“悔しくて振り返ることができなかった”というオムニアムのレースとともに、目前に迫った世界選手権、そしてその先にある4年後への想いを語ってもらった。
過去最高で挑んだ2度目の舞台
Q:リオ以来2度目のオリンピックはいかがでしたか?
楽しかったですね。2回目のオリンピックということもあり、落ち着いて取り組むことができました。もちろんプレッシャーは感じていましたが、集中していましたし、やりたいことにも取り組めていた。自信を持って走れていたので、リオとは全然ちがうパフォーマンスを出すことができたと思います。
Q:チームパシュート、マディソン、オムニアムと3種目の出場。特に力を入れていた種目、というのはありましたか?
いえ、すべてに力を入れていました。ネーションズカップでもそうしてきて、そのなかで結果を残すこともできていたので。今年のネーションズカップ第3戦(カナダ)の時点で、すでに3種目走ることを見据えていました。1、2年前までは1種目にフォーカスして頑張った方がいいのかなとも思っていたのですが、ほかの選手に比べて調子がいいと自分で感じていて、僕が3つとも走りたいという思いでしたね。ロード選手として走ってきた背景もあり、オリンピックでも走り切ることができるという自信もありました。
Q:疲れはありませんでしたか?
連日出場する必要があったネーションズカップとは異なり、オリンピックではオムニアムとマディソンで中1日空いていたこともあり、疲れは感じませんでした。スタッフの皆さんに手厚くケアもしていただいたし、日本選手用のサポートケアセンターもあったので問題なかったです。過去最高の状態で挑めたと思います。
4年後にはもっと強くなれる
Q:ピークの状態で挑んだオリンピックを終えてからは?
もう抜け殻ですね。オリンピック終わって数週間休んだあと、気持ち的な部分でなかなか力が入らなくて、全日本選手権の時はすごくキツかったです。
Q:やり尽くした、という感じ?
悔しい、という気持ちのほうが大きかったです。現実を見たくないというか、レースを振り返りたくないというか。そのなかで、取材していただくタイミングでオリンピックと向き合ってみると、いいことの方が多かったことに気がつきました。周りからも「よかった」と声をかけていただきましたし、少しずつ自分を褒められるようになってきたのかなと思います。
Q:今年で35歳。「次」への意欲という部分はいかがですか?
やるならばこうなりたい、というビジョンはあるし、体も頭も次に向けて準備はできています。35歳だから、という意識は特にないです。これまでどおり積み重ねていって、さらにプラスアルファでなにかできれば、4年という時間を有効に使えればもっと強くなれる、という確信はあります。
スクラッチのあとでネガティブに
Q:窪木選手にとっては、一緒に戦う機会も多く仲も良いというユリ・レイタオ(ポルトガル)がオムニアムで銀メダルを獲得しました。そういう選手がメダルを獲ったことで、思うことはありますか?
嬉しい気持ちもありますが、彼が獲れるのなら自分も、という思いはあります。もちろん強い選手ですし、ロードもいい成績を残している選手です。オリンピックでも積極的に走っていて、素晴らしかった。それでも……やっぱり悔しいですね。
最初の3種目を3位(スクラッチ)→5位(テンポレース)→5位(エリミネーション)でいければと思っていたのですが、5位→15位→10位という結果となってしまった。スクラッチに関しては、レース展開も含めて、ある程度うまくいったと思います。でも、次のテンポレースとエリミネーションはネガティブになってしまった部分がありました。