10月16日から20日にかけてデンマークで開催される『2024世界選手権トラック』。年に1度、トラック競技の「世界No.1」を決定する大会だ。
パリでの決戦から約2ヶ月半が経ち、『ロサンゼルス2028オリンピック』に向けた新たな4年間のスタートが告げられる。
本記事ではUCI公式サイトより公開されたエントリーリストを基に、本大会「短距離種目」の注目選手を紹介していく。
短距離 実施種目
1kmTT、スプリント、ケイリン、チームスプリント
男子 注目選手
ハリー・ラブレイセン(オランダ)
最注目はやはりハリー・ラブレイセン。男子短距離の絶対王者として長年君臨し、『パリ2024オリンピック』では全3種目完全制覇という文句なしの結果を残した。
『2023世界選手権トラック』ではスプリントとチームスプリントで金メダルを獲得したもののケイリンで4位となり、惜しくも3冠を逃したラブレイセン。オリンピックに続く”完全優勝”に期待がかかる。
オランダからはラブレイセンとともにパリでチームスプリントを制した、ジェフリー・ホーフラントやロイ・バンデンバーグらも出場予定だ。
ケビン・キンテロ(コロンビア)
『2023世界選手権トラック』のケイリンを制したコロンビアのスプリンター。
『パリ2024オリンピック』では各種目で決勝に進出できず、悔しい結果となった。ディフェンディングチャンピオンとして、表彰台への返り咲きを目指す。
ニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)
『2023世界選手権トラック』スプリントで銀メダルを獲得したニコラス・ポール。
パリでハリー・ラブレイセンによって破られた200mFTTの前世界記録保持者。
ケビン・キンテロ同様、パリでの結果は振るわなかったものの、これまで世界トップクラスの成績を残し、発展しつつあるトリニダード・トバゴの自転車競技を牽引してきた1人。
オリンピック2大会への出場経験を活かし、ロサンゼルスへ幸先良いスタートを切れるか要注目だ。
本出場を見送ったパリ五輪メダリスト
選手名 | 国 | パリ五輪メダル獲得種目 |
マシュー・リチャードソン | オーストラリア* | スプリント2位、ケイリン2位、チームスプリント3位 |
マシュー・グレーツァー | オーストラリア | ケイリン3位、チームスプリント3位 |
ジャック・カーリン | イギリス | スプリント2位、チームスプリント2位 |
エド・ロウ | イギリス | チームスプリント2位 |
ハーミッシュ・タンブル | イギリス | チームスプリント2位 |
※パリ五輪へオーストラリア代表として出場したマシュー・リチャードソンは、2024年8月19日にイギリスへ移籍したことが発表されている。
女子 注目選手
エマ・フィヌカン(イギリス)
女子短距離ニュースターの1人であるエマ・フィヌカン。
『2023世界選手権トラック』スプリントで自身初のアルカンシェルを獲得し、2024年のネーションズカップでも好成績を残しパリへ挑んだ若手スプリンター。
初出場の『パリ2024オリンピック』でもメダル3枚を獲得し、世界に強さを証明してみせた。
2022年生まれ、まだ21歳のフィヌカン。これからの伸び代を考慮すると、間違いなく最注目の1人に挙げられる選手だ。
その他イギリスからは、フィヌカンとともにチームスプリントで金メダルを獲得したソフィー・ケープウェルやケイティー・マーシャンらも出場予定となっている。
ヘッティ・ファンデヴォウ(オランダ)
パリで目を張る走りを見せた選手の1人、ヘッティ・ファンデヴォウ。
2023年〜2024年のオリンピック選考大会ではチームスプリントで1度優勝しているものの、その他目立った活躍を見せることはできなかった。
しかし迎えた自身初出場のパリオリンピックでは、スプリント4位、ケイリン2位という好成績を残している。世界選手権でも継続して強さを証明することができるか期待がかかる。
マチルド・グロ(フランス)
短期登録選手として日本の競輪にも出走経験のある1999年生まれの選手。
『2022世界選手権トラック』スプリントで自身初のアルカンシェルを獲得すると、『2024ネーションズカップ第3戦』スプリントでもエルレス・アンドリュースとの決勝を制し優勝。
好調さが窺えたなかで挑んだ自国開催のパリオリンピックだったが、結果はスプリント・ケイリン両種目で決勝に進出できず敗退。
悔しさをバネに表彰台へのカムバックを果たせるか要注目だ。
出場を見送っているパリ五輪メダリスト
選手名 | 国 | パリ五輪メダル獲得種目 |
エルレス・アンドリュース | ニュージーランド | スプリント優勝、ケイリン優勝、チームスプリント2位 |
シェーン ヘーゼル・フルトン | ニュージーランド | チームスプリント2位 |
レベッカ・ペッチ | ニュージーランド | チームスプリント2位 |
リー ソフィー・フリードリッヒ | ドイツ | スプリント2位、チームスプリント3位 |
エマ・ヒンツェ | ドイツ | チームスプリント3位 |
ポーリン・グラボッシュ | ドイツ | チームスプリント3位 |
アルカンシェル射程圏内の短距離
男女ともに『パリ2024オリンピック』のメダリストから、複数の出場見送り選手が出ている短距離種目。
しかし男子絶対王者ハリー・ラブレイセン有するオランダ勢や、エマ・フィヌカン擁するイギリス女子チームスプリント金メダリストメンバーら、強力なメンバーがエントリーリストに名を連ねている。
各レースを確実に勝ち上がり、ビッグネームとの決戦に勝利できるか。
日本チームにとってもチャンスの大きい本大会。ライバル達の走りにも注目しつつ、ご観戦いただきたい。
『2024世界選手権トラック』に関する記事はコチラ