2024年9月6日より、静岡県・伊豆ベロドロームで開幕した『2024全日本選手権トラック』。
大会に2日目に女子スプリントが実施され、“本職”の強さを見せた佐藤水菜が優勝した。
スプリントとは?
男子と同じく予選は200mFTT(助走付きの200mタイム測定)。予選のタイムをもとに本戦(対戦ラウンド)の組み合わせが決定し、勝ち上がり戦が行われる。本戦はトラック3周、1対1で先着を争う。どのタイミングで前に出るのかの駆け引き、そして一気にハイスピードになる高速バトルが見どころの種目。
予選
佐藤水菜や梅川風子に加え、日本競輪選手養成所に在所中の酒井亜樹、伊藤柚姫ら全10人がエントリーしたこの種目。
200mFTT(助走をつけた200m測定)で実施された予選の上位5人は以下の通り。
選手名 | チーム | タイム | |
1位 | 佐藤水菜 | チーム楽天Kドリームス | 10秒470 ※大会新 |
2位 | 梅川風子 | チーム楽天Kドリームス | 10秒841 |
3位 | 小原乃亜 | 八戸学院大学 | 11秒063 |
4位 | 酒井亜樹 | チーム楽天Kドリームス/ JIK | 11秒077 |
5位 | 仲澤春香 | JPCA | 11.172 |
予選1位は10秒470という大会新記録を叩き出した佐藤水菜。
梅川風子(2位)、酒井亜樹(4位)を含めたチーム楽天Kドリームス勢の3人と小原乃亜(八戸学院大学)、現ナショナルチームに所属する4人が準決勝へ進出した。
準決勝の対戦カードは佐藤水菜vs酒井亜樹、梅川風子vs小原乃亜。
準決勝
準決勝1組目は佐藤水菜vs酒井亜樹のチーム楽天Kドリームス対決。
1本目は佐藤が終始前で完封して迎えた2本目。残り2周で前に出た酒井を、最終の直線できっちりと捕まえ佐藤水菜がストレートで決勝進出を決めた。
2組目は梅川風子vs小原乃亜。
こちらも梅川が世界基準の強さを見せ、ストレートで決勝へ。
決勝【佐藤水菜vs梅川風子】
決勝もチーム楽天Kドリームスの2人による争い。
1本目は前に佐藤、後ろに梅川でスタート。残り1週半のタイミングで後ろから加速していく梅川だが、佐藤が動きを瞬時に察知し、レースは位置関係を変えないまま一気にスピードアップしていく。
1車身ほどの差を保ちながら、佐藤が前で加速していくと、後ろの梅川との差はなかなか縮まらず佐藤が1本目を制した。
2本目。梅川が前で徐々にペースを上げていく。
最終周に入ってすぐの1コーナー、両者ともにバンクの上部から駆け下ろすように加速していくと、残り半周で佐藤が外から外から並びかけていく。最後の直線では前に出た佐藤が先着。決勝の戦いをストレートで勝利し、佐藤が日本一の座を手にした。
3位決定戦は小原乃亜vs酒井亜樹。1本目を小原が獲得しての2本目。
酒井が最終周回で逃げていくと、小原が酒井に並びかけていく。3コーナーを抜けた辺りで内側の酒井が外に膨らんでしまったが、逃げ切って先着。
しかしレース後に外に膨らんでしまってスプリンターレーンを出てしまったことから酒井が降着となり、小原がストレートで酒井に勝利し3位、銅メダルを獲得する結果となった。