2024年8月9日、パリオリンピックの自転車トラック競技種目の5日目には女子スプリントが開催。前日まで行われていた女子ケイリンに続き、日本から佐藤水菜と太田りゆが出場。

1回戦敗者復活戦で敗退した太田りゆが、レース後のインタビューで競技引退の意向を表明した。

太田りゆ「もっと勝ち上がってたくさん走りたかった」

太田りゆ, Japan, womens keirin, Olympic Games Paris 2024, Saint-Quentin-en-Yvelines Velodrome, August 08, 2024 in Paris, France

もっと勝ち上がってたくさん走りたかったですが、みんな強くて、勝てなくて残念でした。でも悔いのないレースはできたと思います。

Q:昨日から連戦でしたが、コンディション面はどうだったのでしょう?

ケイリンで5本走ることができて脚の疲れはありました。でも楽しいこと、やりたいことをやっているからかなと思いますが、疲れをほぼ感じずにいました。普段は全然歩けないのに、ディズニーランドに行ったら異様に歩けるってことがあると思うんですが、そんな現象が起きていましたね。痛みはあるけど楽しくレースができたと思います。

Q:予選タイムはどのように捉えていますか?

自己ベストの更新はできませんでしたが、ここ最近では良いタイム。昨日のケイリンの後としてはまずまずだなと思います。でも対戦は、やはりメンバーもオリンピックらしいもので……フランスのマチルドとのレース(1回戦)は、仕掛けどころはあのタイミングだったと思いますし、思いっきりやった結果でした。

Q:3人で行われた敗者復活戦はどのような作戦でしたか?

3人のスプリントはあまりやらないので展開が難しかったです。カナダのジェネスト選手を意識したレースで、頑張りましたが勝てませんでした。悔しいですが、納得しているし達成感もあります。力負け、やることをやって負けたなと思います。

Q:リザーブで見守った東京大会を経て、臨んだパリオリンピック。どのような舞台でしたか?

望みに望んで掴んだチケットでこの舞台に立ちました。全力で走ることが自分への責任だし、選んでくれた方々にも「選んで良かった」と思っていただけるように走ろう、と考えていました。何もない、普通の女の子だったところを拾ってくれたブノワ(・ベトゥ テクニカルディレクター)には感謝しています。厳しく育てられましたが、彼のおかげで逞しく育ったと思うし、その分ジェイソン(・ニブレット短距離ヘッドコーチ)は友達のように優しく励ましてくれる存在でした。2人のバランスがすごく良く、支え、守り、助けてもらったなと思います。

通訳のアリス(・ボナミ)やマッサー、たくさんのスタッフや選手の仲間たち、みんなでいろんなことをやってきたし、いろんな景色を見てきました。競技者としての私はすごく成長したし強くなったと思うけれど、人としても経験値を得た時間だったと思います。

またSNSなどでは思った以上にたくさんの声をいただきました。暖かい声援が多くて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

競技者、日本代表としてはこれで引退

太田りゆ, Japan, womens keirin, Olympic Games Paris 2024, Saint-Quentin-en-Yvelines Velodrome, August 08, 2024 in Paris, France

Q:この経験は今後どのように活かされていきますか?

競技者、日本代表としてはこれで引退と、今の段階では考えています。

アスリートとして得た経験をスポーツ選手として活かすだけではなく、太田りゆという人として、人生に役立てていきたいです。競輪選手としてはデビュー以来初めて本格始動ということになると思いますし、やりたいことも色々ある。オリンピアンを人生に繋げていきたいです。

ガールズケイリン選手としては、来年のグランプリ争いには本格的に入っていきたいと思っています。まずはガールズグランプリが目標。でも自分で生活を管理するといった競輪選手としての生活はこれまで経験していません。また新しいチャレンジになりますが、それも楽しみにしています。

Q:競技からの引退について、理由を聞かせてください。

現時点では動けるし戦える状態ですが、あと4年オリンピックを目指すことを考えると、必要とされる体力はすごく大きい。あと10日もしないうちに30歳になるのですが、このままだと競技しかできないかな……とかも思ってしまう。やり切ったとも思えるから、引退と考えています。気が変わるかもしれませんが(笑)!

Q:それを踏まえると、敗者復活戦では特別な想いもあった?

はい。「競技者としてこれが最後のレースになるかもしれない」「オリンピックのバンクからの景色を見るのはこれが最後かもしれない」と思ったけれど、でも「そんなことより勝負!」という感じだったと思います。スプリントという種目は東京オリンピック以降すごく力を入れてきた種目です。予選でも「フル装備、完全な状態で200mを測るのはきっと人生で最後だ」と思いましたし、そういうことも含め、今日1日はとても特別な1日でした。

太田りゆ, Japan, womens sprint, Olympic Games Paris 2024, Saint-Quentin-en-Yvelines Velodrome, August 09, 2024 in Paris, France, SWpix / Japan Cycling Federation

今後のレース予定

【パリ五輪】佐藤水菜が東京大会チャンピオンを下して3回戦へ 太田は五輪最後のレース 女子スプリント 予選〜2回戦/自転車トラック

女子スプリントでは佐藤水菜が勝ち上がり、レースを続けている。

9月には全日本選手権が開催予定で、ここが太田りゆの引退レースになるのかもしれない?

2024パリオリンピック 自転車トラック競技レーススケジュール

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パリ2024オリンピック 自転車競技5種目スケジュール・テレビ放送予定