フランスのスポーツバイクブランドLOOKが新型トラックバイク「LOOK P24」を発表。近年のトラックバイクのトレンドになりつつある「横に大きく張り出したフォーク」を搭載し、自国開催のパリオリンピックへと加速する。
共通する「バイクとライダーが一体となる」アプローチ
日本では5月に、東レ・カーボンマジック株式会社が手がける新型トラックバイクが発表されている。今後日本のトラック競技ナショナルチームはこのバイクを駆使し国際大会へ挑んでいく想定だ。
このバイクの開発においてキーワードとなったのが「人とバイクの融合」。バイク単独では空力に劣るが、人が乗ることで空力に秀でたバイクとなることができる。
LOOKの新型バイク「LOOK P24」の公式ページでも「Bike & Rider Become One」……「バイクとライダーが一体になる」の表現が見られる。
特徴的なシートステー&シートポスト
前後のフォーク部分が横に張り出しているのは東レのTCM-2とも共通している(全く同じ形状ということはないが)。
しかし、LOOK P24で特に目を引くのがシートステー&シートポストだ。シートステーはフォーク部と同様に横に張り出した形状になっている。目を更に引くのはシートポストで、通常の形とは異なり2つに分かれていることで空力性能を高めている点。
さまざまな要素が掛け合わせった結果、中長距離種目で利用すれば「1周あたり0.210秒の短縮、4メートルのアドバンテージ」か可能となり、短距離種目では「91ワット節約できたことで1周あたり7メートルのアドバンテージ」か可能になったという。短距離・中長距離ともに「過去最高速」でレースに挑むことになるだろう。
各国の「機材開発合戦・頂上決戦」の場とも言えるオリンピック。選手のパフォーマンスはもちろんだが、職人と技術者の努力の結晶である機材にも注目していただけるとよりレースを楽しむことができるだろう。
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