施術頻度別 ランキング
Q:マッサージの頻度は選手によって違いますか?
みんな基本的に週1です。私から「週に1回だよ」と言ったことはないのですけれど、みなさん「今週どこかで1回良いですか」と控えめに打診してきます。週に1回しか利用できないと思っているみたいです。
でも、中には2回受ける選手もいます。「このレースに向けてコンディショニングしてて、今週はちょっと追い込むから、月金でお願いしたいです」と事前に言ってきてくれます。逆に全く言ってこない選手もいて「やんないの?どこかでちょっと身体触っとく?」と聞いたら「ああ、じゃあ……」ってなりますね。
Q:その「ああ、じゃあ……」は誰なんですか?
松田祥位選手です。全然言ってきません。
言ってこないランキングで言うと、
1位:松田祥位
2位:垣田真穂
3位:今村駿介
の順。
逆に言ってくるランキングだと、1位は間違いなく窪木一茂選手。しかも口パクで伝えてこようとしたりします(笑)そういうことするんですよね。
それに次ぐのが梶原悠未選手、内野艶和選手あたりでしょうか。この2人は「毎週欠かさず」という感じです。
自分のコンディショニングに合わせて計画的にお願いしてくるのは兒島直樹選手。兒島選手は「受けたい時にお願いするので」と以前から言われているので、こちらからは聞かないようにしています。事前に「今週は水曜日に行きたいです」と言ってくれるので、計画性のある子だなあと思います(笑)
Q:触ってて「この人はちゃんとケアしてるなあ」とわかるものですか?
それぞれの筋肉の張っている張っていないは、ある程度わかります。
例えば、今村選手はセルフケアを鬼のようにやってるタイプ。だからこそあまり自分から「ケアを受けたい」と言ってこないんだと思うんですが、触ってみると「あの今村くんでもこんなに硬いんだ」と感じる時がありますよ。大変なトレーニングをしてるんだなあと思います。
窪木一茂……
Q:一番アスリートっぽいと感じる身体を持つのは誰ですか?
河野翔輝選手は、無駄がないというか……ちゃんと筋肉がついているなと感じますね。でも総合的に見ると、やっぱり窪木選手がスゴいのかなと思います。
筋肉が柔らかいし、ガチガチに張るということがあまりない。この練習量で窪木選手の年齢(35歳)で、一番強いと思える走りを見せています。この5年間でパフォーマンスが年々向上しているのを目の当たりにしていますし、一番アスリートとして自分のことをとてもよく理解しているのかなあと思います。
Q:ダニエル・ギジガーコーチが来てからもう1年が経ちました。その前のクレイグ・グリフィンコーチも見てきての違いはありますか?
クレイグ・グリフィン前コーチはシステマチック、ガチガチにやるタイプでした。それによって選手全体の「基本」ができたんだなと感じます。ベースができたからこそ、今のダニエルの自由な感じになって個性が光ってきてるように思います。橋本選手も自由ですが、艶ちゃん(内野艶和)も自由なタイプ。「ダニエルは自由にさせてくれるから好き」とのびのびしてます。彼女は今のスタイルが良い方向に出ている選手の代表格ですね。
揉んでるよっ(笑)
Q:この仕事をやっていて「楽しい」と思う瞬間はどんな時ですか?
やっぱり選手がメダルを獲った時は嬉しいです。それが一番ですね。
あと、環境も良いなと思ってます。大先輩と一緒に働いていますから。(HPCJCに入るきっかけになった)中山さんは私のことは知らなかったけれど、私は中山さんのことを名前だけはしょっちゅう聞いていたんです。
「分院のチーフをやってる中山さんが……」「自転車の大会で遠征に行ってて……」という感じ。治療院でもそういう話は入ってきていたので「中山さん、今度はコロンビアか!」みたいに思っていました。
Q:憧れの先輩的な?
というより、謎の先輩でした!どんな人かわからないから(笑)
HPCJCでは中山さんや井上純爾さん(理学療法士)がいることで新たな知識を得ることができますし、困りごとがあった時にも相談することができます。2人に甘えっぱなしです。
Q:一方で沖縄合宿などではメディカルスタッフとしてはお1人ですから、ちょっと大変なのでは?
そうですね……キツいと感じる時もありましたが、でもそれよりも楽しいです。
Q:改めて5年間このお仕事をしてきて、小さな子どもに自分の仕事を説明するなら、どのような説明をするか聞かせてください。
選手が元気に走れるようにする、そのお手伝いをしています。具体的に言うと……揉んでるよっ!(笑)