日本記録の更新、そして優勝。佐藤水菜が更なるパワーアップを示して女子スプリントの優勝を遂げた。レースの模様をお伝えする。

2024年5月9日(木)より伊豆ベロドロームで開催されている自転車トラック競技の国際レース『2024ジャパントラックカップ』。大会2日目は男女ともにスプリント・ケイリン・マディソン・オムニアムが実施される、選手にとっては大会期間中最も過酷な一日。

女子スプリント

この種目にはアジア各国から14人が出走。JCFの強化指定選手からは佐藤水菜、梅川風子、太田りゆ、酒井亜樹、小原乃亜の5人がエントリーした。

予選の200mFTT(フライングタイムトライアル、助走付きの200mタイム測定)の結果は以下の通り。

予選順位 選手名 所属 タイム
1位 佐藤水菜 RKD 10.514*日本新記録
2位 梅川風子 RKD 10.796
3位 太田りゆ JPN 10.887
4位 小原乃亜 JPN 11.010
5位 チョ・ソンヨン CHO Sungyoung KOR 11.062

なお5月9日までの日本記録は佐藤水菜の10秒563、世界記録はケルシー・ミシェル(カナダ)の10秒154。佐藤は自身の持つ日本記録を塗り替える結果となった。

予選リザルトPDF

ジャイアントキリングの3-4位決定戦

勝ち上がりは対戦方式でレースを行い、先に2本取った方が勝者となる。トラック3周を先にフィニッシュした方が勝ちというシンプルなルールだが、どんなに屈強な選手でも3周を全力で走ることはできない。相手の出方を伺い、どのタイミングで走り出すのか、駆け引きが重要となるのが勝ち上がりのステージ。

3-4位決定戦に進んだのは太田りゆと小原乃亜。

1本目は前に太田、後ろに小原でスタート。前後はそのままに徐々にスピードを上げていった太田だったが、フィニッシュライン直前に小原に差され先着を許した。

2本目は小原が前、太田が後ろ。残り1周から太田が前となり、一気に踏み込んでいく。そのまま先着し、2本目を勝利。勝負は3本目にもつれ込んだ。

3本目は前が小原、後ろが太田。残り1周半から立ち漕ぎで逃げる小原を、チーターのような低いフォームで太田が追う。フィニッシュ直前に小原に迫ったものの、粘り切った小原が勝利。この4月からナショナルチームに入ったばかりの新人がジャイアントキリングを果たして銅メダルを獲得した。

女子スプリント 決勝戦

決勝戦に進出したのは佐藤水菜と梅川風子。梅川はこの前の準決勝にて太田と対戦し、3本目までもつれこんだレースの末決勝戦に臨む。

1本目は佐藤が前、梅川が後ろでスタート。前後の並びはそのままに両者がスピードアップしていく。梅川は佐藤の後輪まで迫ったものの、追い抜くことはできずに佐藤が先着、1本目を先取する。

2本目は梅川が前、佐藤が後ろ。残り1周半から両者がスピードアップしていく。ハイスピードの中で残り半周あたりから佐藤が並びかけ、最後には梅川を差して先着。佐藤がストレートで優勝を決めた。

順位 選手名 所属
1位 佐藤水菜 RKD
2位 梅川風子 RKD
3位 小原乃亜 JPN

リザルト

優勝 佐藤水菜インタビュー

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