JAPAN TRACK CUP直前 1周のスペシャリストが記録に挑戦!
長迫吉拓、日本男子チームスプリントの第1走を務める”最初の1周”のスペシャリストが自身の記録に挑戦した。『ジャパントラックカップ』直前、「たったひとりのジャパントラックカップ前哨戦」をお伝えする。
2024年5月7日。緊張した表情でウォームアップをする長迫の姿があった。
5月9日から開催される2024ジャパントラックカップはマディソン種目を除き個人のレース種目のみの開催となるため、チームスプリントのスペシャリストである長迫には出場する種目がない。
モチベーションの意地と緊張感を高めるため、短距離ヘッドコーチのジェイソン・ニブレットは、長迫に特別な指令を出した。
「自己ベストを出せ」
長迫吉拓が200mフライングタイムトライアル(助走を付けて200mのタイムを計る)で自己ベスト更新に臨むことになる。
直前に緊張感を漂わせながら長迫は語る。
「本当はジャパトラ(ジャパントラックカップの略)に出たいと思っていたのですが、(チームスプリント1走専任選手のため)出る必要はないとコーチに言われました。その代わりに、その前に自己ベストを出せ!ということになって。
200mのタイム(ハロン)は、トラック競技のスプリンターとしては基準になるタイムです。自分としては9秒台に入りたい。もちろん自分の専門とは少しズレますが、トラックのスプリンターをやっている以上、9秒台は出したいタイムですよね。実は去年くらいから練習を重ねていたんですが、9秒の壁はなかなか厳しいものでした。でも、今は『少しは可能性がある』と思っています。楽しみです。
今回は公式ではないタイム測定ですけれど、ここでできれば次の全日本選手権にスプリントで出場して、公的な場で9秒台を出したいですね!今日をひとつのステップにしたいです」
ジェイソンヘッドコーチ曰く、10秒08以下であれば1本でチャレンジは終了、目標タイムを切ることが出来なければもう1本追加し、合計2本でタイムを測定することになる。
1本集中、やり切ってきます!と走路に向かう長迫。