トラック用自転車(ピストバイク)の特徴
靴とペダルが固定できる構造となっている
自転車競技で使われるシューズには足裏に専用の器具がついており、ペダルに固定することができる(ビンディングシューズ・ビンディングペダル)。これはトラック競技に限らず、ロードレースなどでも使われる構造だ。
ブレーキがついていない・ギアを変えられない
かなりシンプルな構造となっているトラック用自転車。ブレーキやギア変速機を無くすることで極限まで軽くし、余計な部品を減らし、空気抵抗を抑えている。ギアは固定されているため「もっと重いギアで走りたい」という場合はレース前にギアを取り替える必要がある。またブレーキがないため、公道で走ることは禁止されている。
材質はカーボンが主流
自転車競技全般において「向かい風」は重要な要素。しかしトラック競技は「屋内競技場」で実施されるため、向かい風を気にせず、ただただ空気抵抗(空力)を減らすことが追求されてきた。
そのような歴史の中、現在主流となっている自転車の材質はカーボン。軽く、剛性が高く、そしてさまざまな形状に対応できる素材だ。このためより空気抵抗の低い形状の自転車フレーム(車体)を作成することが可能となっている。
車輪の造りの違い
トラック競技で使われる自転車では、スポーク(放射状に張られる針金)の車輪を見かけることが少ない。
スポークホイール(車輪)は横風に振られにくいという特徴を持つが、屋内競技場で行われるトラック競技では横風を気にする必要がなく、より速さを求めることができるバトンホイールやディスクホイールが使われることが多いためだ。
なお、屋内競技場で横風がないと言っても、ゲーム系種目(周りの選手を追い抜いたりブロックしたり競り合ったりする要素のある種目)の場合は横の動きがあるため、前後輪ディスクホイールでは走行のふらつきが出てしまう。このため前後輪ディスクホールが使われるのは、「他の選手」を気にする必要のないタイム測定系の種目に限られる。