2024UCIトラックネーションズカップ第2戦香港大会。男子チームスプリント(長迫吉拓、太田海也、小原佑太)は2大会連続となる銀メダルを獲得した。オランダ、オーストラリア、フランスなど強豪が出場したレベルの高いレースでの銀メダル獲得の軌跡をレポートする。
男子チームスプリント
2024UCIトラックネーションズカップ第2戦、香港大会は3月15日に開幕。大会初日に男子チームスプリントの予選から決勝までが行われた。
3月12日時点の日本の通称”オリンピックランキングは3位。ランキングは4月15日に締め切られ、8位までのチームがオリンピック出場枠を獲得する。今大会は日本が世界のトップ2であるオランダとオーストラリアにどれだけ現時点で迫れるのか、その点が見どころとなった。
男子チームスプリントには14チームがエントリー。世界最強のオランダ、そのオランダと頂点を争うオーストラリア、母国でのオリンピック開催に向けて強化しているフランスなど強豪が集った。日本は第1戦の銀メダルトリオの長迫吉拓、太田海也、小原佑太の3人で世界のトップに挑戦する。予選は上位8チームが通過。1回戦を経て、メダル決定戦の流れとなる。
予選 日本が2位通過、絶対王者オランダがまさかの敗退
予選10組目に出走した日本。長迫が17秒456で太田にバトンを渡すと、太田が快速を見せて、最後には小原佑太がフィニッシュラインを駆け抜ける。タイムは43秒300となり、それまでの暫定トップを更新。残ったオーストアリアとオランダのタイムを待ち、予選の順位がきまる。
オーストラリアは貫録の走りを見せて42秒829。日本のタイムを大幅に上回り、オランダを残して暫定トップを塗り替える。
そして最終組となったオランダ。レース直前に短距離の王者ハリー・ラブレイセンに代わってダーン・クール(第3走)を組み込んでレースがスタートする。しかしこの変更が完全に裏目に出てしまったオランダチーム。交代したダン・クーンが前の2人についていけず、大きくタイムを落としてフィニッシュ。44秒043のフィニッシュタイムで予選9位となり、世界王者のオランダチームが予選で姿を消した。
オーストラリアを追い詰める42秒台で決勝へ
ホームとバックに分かれて対戦形式となった1回戦。日本は4組中3組目となる。対戦相手は予選5位のイギリス。このレースに勝ち、且つ勝利したチームの中で最も速い2チームが決勝進出となる。
第1組では中国(A)が43秒104の好タイムで先着。
第2組ではフランスが43秒057で勝利。
第3組、日本の出走。メンバー変更は無し。長迫がスタートすると、予選同様に17秒4台で太田に先頭交代する。太田、小原と繋いでのフィニッシュタイムは42秒920。ここまでの1番時計を記録し、決勝進出を決めた。対するイギリスは43秒466で2着となった。
第4組。予選トップのオーストラリアの出走。再発走扱いとなってスタートしたレースはオーストラリアが先着して勝利。タイムは42秒717と好タイムながらも、チームの第3走が遅れていたことで、力が発揮できなかった点が見られた。第1戦に続いての日本とオーストラリアの同カードとなる。
オーストラリアの底力 2大会連続の2位
決勝はオーストラリア(トーマス・コーニッシュ/マシュー・リチャードソン/レイ・ホフマン)との対戦。日本チームはメンバーを入れ替えることなくレースに臨んだ。
スタートと同時に発走機から飛び出していく両チームの第1走者。日本チームの長迫は半周時点でリードを得るが、太田に先頭交代するまでに逆転されてしまい、レースは日本がコンマ1秒の差でオーストラリアを追う形となる(※長迫のタイムは17秒382で自己ベストを記録)。
第2走は太田海也vsマシュー・リチャードソン。この第2走の勝負はリチャードソンが更に差を広げて、コンマ3秒の差で最終走者へと勝負は託される。
最終走者、小原佑太vsトーマス・コーニッシュ。交代時でのトップスピード差がついた状態での両者の対決は、コーニッシュが更に差を広げて42秒274で先着。日本チームは42秒958を記録し、この種目で2大会連続となる銀メダルを確定させた。
Back-to-back wins for Australia in the Men Team Sprint!
Glaetzer, Hoffman and Richardson powering ahead of Japan to secure another gold. Round 1 ✅, Round 2 ✅ #TissotNationsCup @AusCycling#TrackCycling #OlympicCycling pic.twitter.com/CPyrjgYK5K
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) March 15, 2024
3位は中国。母国開催のオリンピックに向けて強化をしているフランスとの勝負を制して銅メダルを得た。
順位 | 選手名 | 所属 | タイム | |
1位 | トーマス・コーニッシュ レイ・ホフマン マシュー・リチャードソン マシュー・グレーツァー |
CORNISH Thomas HOFFMAN Leigh RICHARDSON Matthew GLAETZER Matthew |
AUS | 42.274 |
2位 | 長迫吉拓 小原佑太 太田海也 |
JPN | 42.958 | |
3位 | グォ・シュアー リュウ・シ チョウ・ユー |
GUO Shuai LIU Qi ZHOU Yu |
CHN(A) | 42.795 |