2024UCIトラックネーションズカップ第2戦。女子チームパシュートで、日本チーム(梶原悠未/池田瑞紀/内野艶和/垣田真穂)がネーションズカップ史上初となる日本女子チームパシュートでの銅メダル獲得を果たした。

旧名称のワールドカップを含めると、7年ぶりとなる嬉しいメダル獲得をレポートする。

女子チームパシュート

2024UCIトラックネーションズカップ第2戦、香港大会は3月15日に開幕。大会のオープニング種目になったのは女子チームパシュート。今大会の注目は日本チームと中国チームとのオリンピック出場枠争いだ。

3月12日時点の”オリンピックランキング”での日本のランキングは10位(5750ポイント)、中国のランキングは11位(5320ポイント)。4月15日に締め切られる通称”オリンピックランキング”で10位までのチームが出場枠を獲得するため、ボーダーラインにいる日本の出場枠獲得に向けたレースの動向に注目が集まった。

※獲得ポイントは順位によって異なり、以下の通りとなる。
優勝:1600ポイント
2位:1440
3位:1280
4位:1200
5位:1120
6位:1040
7位:960

レ―スは予選⇒1回戦⇒メダル決定戦の勝ち上がりとなった。

【チームパシュート(団体追抜き)】これでわかる!トラック競技初心者のためのルール解説・動画

この種目に出場したのは9チーム。日本は第1戦、アジア選手権と変わらずの4人、梶原悠未/池田瑞紀/内野艶和/垣田真穂の布陣で臨んだ。

日本が僅差で中国を上回り予選突破

予選3番目となった日本チーム。トラックの形状からか、隊列を綺麗にキープするのが困難な走りに見えたが、フィニッシュタイムは4分24秒208。暫定トップで4番目となる中国(Aチーム)のレ―ス結果を待つ。

続く中国チーム。最初は勢いよくタイムを刻み日本の暫定トップタイムを更新したが、徐々に日本のタイムから遅れていく。フィニッシュタイムは4分24秒696。日本からコンマ4秒ほど遅れるタイムとなった。

日本は4位、中国は5位で予選を突破。1回戦へ。

予選結果PDF

1回戦 中国を上回り、メダル決定戦へ

日本は予選トップのニュージーランド、中国は予選8位のメキシコとの対戦。先に走った中国のタイムは4分18秒651。日本のターゲットタイムが決まる。

ブライオニー・ボサ, BOTHA Bryony, エミリー・シャーマン, SHEARMAN Emily, サマンサ・ドネリー, DONNELLY Samantha, ニコール・シールズ, SHIELDS Nicole, NZL, 女子チームパシュート 1回戦, WOMEN'S Team Pursuit 1st Round, 2024トラックネーションズカップ 香港, 2024 UCI TRACK NATIONS CUP Hong Kong

ニュージーランドチーム(ブライオニー・ボサ/エミリー・シャーマン/サマンサ・ドネリー/ニコール・シールズ)

日本のレ―スはホーム側にニュージーランド、バック側に日本でスタート。対戦はニュージーランドが終始リードする形となり、先着したニュージーランドのタイムは4分13秒685。

日本は予選よりも入りからタイムを上げていき、安定した走りを見せて4分17秒229でフィニッシュ。対戦相手には先着されたものの、1回戦を全体の3位の順位で突破。銅メダル決定戦へと進出を決めた。

1回戦結果PDF

ネーションズカップが始まってから日本初の女子チームパシュートメダル獲得

銅メダル決定戦はオーストラリアとの対戦。日本は1回戦で4分17秒229、オーストラリアは4分17秒637と同レベルのチーム同士の戦いとなった。

スタート後、序盤のリードを奪ったのはオーストラリア。

ケイラ・ウィル, WILL Keira, サリー・カーター, CARTER Sally, ソフィー・エドワーズ, EDWARDS Sophie, フェリシティ・ウィルソン=ハッフェンデン, WILSON-HAFFENDEN Felicity, AUS, 女子チームパシュート 3位決定戦, WOMEN'S Team Pursuit Final for Bronze, 2024トラックネーションズカップ 香港, 2024 UCI TRACK NATIONS CUP Hong Kong

オーストラリアチーム(ケイラ・ウィル/サリー・カーター/ソフィー・エドワーズ/フェリシティ・ウィルソン=ハッフェンデン)

1km通過時にはコンマ3秒差で駆け抜けていく。しかし、ここから徐々に日本の追い上げが始まる。

1周毎に電光掲示板に表示されるタイム差を少しずつ埋めていく日本チーム。レースの折り返しとなる2km通過時点でオーストラリアチームにコンマ4秒の差をつけ逆転に成功する。

そしてこの時点でオーストラリアチームから1人が離脱するが、日本チームは4人が残ってレースを進めていく。数の利もあり、その後は日本が更にタイム差を広げていくと、3km通過で梶原が離脱するが、残りの3人でリードを守り切り先着。

フィニッシュタイムを4分17秒947として銅メダル獲得を果たした。

女子チームパシュートでのメダル獲得はネーションズカップでは初、ワールドカップを含めると2017年12月ぶり、実に7年ぶりのメダル獲得となった。

決勝はニュージーランド対アイルランドのレ―ス。このレースはニュージーランドがアイルランドを追い抜いて勝利を決め、金メダル獲得となった。

この結果、公式発表を待つ必要があるが、中国とのポイント差を430⇒590まで広げることに成功した日本。オリンピックに向けて貴重なポイントを獲得し、出場枠獲得に向けて更に一歩前進を果たした。

順位 選手名 所属 タイム
1位 ブライオニー・ボサ
エミリー・シャーマン
サマンサ・ドネリー
ニコール・シールズ
BOTHA Bryony
SHEARMAN Emily
DONNELLY Samantha
SHIELDS Nicole
NZL
2位 ララ・ギレスピー
ミア・グリフィン
ケリー・マーフィー
アリス・シャープ
GILLESPIE Lara
GRIFFIN Mia
MURPHY Kelly
SHARPE Alice
IRL OVL
3位 池田瑞紀
梶原悠未
垣田真穂
内野艶和
JPN 4:17.947

最終結果PDF

選手インタビュー

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