フランス・オート=サヴォワで建設予定の新型ベロドロームの完成図が2023年12月、CG映像として公開された。

オート=サヴォワ県公式ウェブサイトのNEWS記事で公表された情報とともに紹介していく。

『UCI自転車競技世界選手権』とは?

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『UCI自転車競技世界選手権』は、2023年にイギリス・グラスゴーにて初開催された。自転車競技にはトラック、ロード、BMXなどさまざまな種目があるが、従来はそれぞれの種目ごとに世界選手権が開催される。

『UCI自転車競技世界選手権』は4年に1度、夏季オリンピックイヤーの前年に定期開催されるもので、13もの自転車競技の世界選手権が同一のイベントとして、同地域にて、同時開催する、というものだ。

第2回は2027年に開催予定で、会場はフランスのオート=サヴォワ。第2回大会ではさらに規模が拡大し、19もの自転車競技の世界選手権が合同開催される予定だ。

そして今回、『2027 UCI自転車競技世界選手権』にてトラック競技の会場となるベロドロームのCG映像が公開された。

超多目的ベロドローム「オート=サヴォワ アリーナ」

新型ベロドロームの名前は「オート=サヴォワ アリーナ(Haute-Savoie Arena)」。オート=サヴォワ県の公式YouTubeチャンネルにて新型ベロドロームのCG完成図が公開された。

オート=サヴォワはモンブラン山地やスキー場などを有する地域(日本で言えば長野のような感じだろうか……)。映像から緑豊かな地域性と、それを活かした建築設計を垣間見ることができる。緑豊かなベロドローム周辺には、サイクリングロードも設置されるようだ。

 

スポーツ関連の設備も充実している。板張り250mのUCI公認バンクによる自転車トラック競技はもちろんのこと、陸上競技やバスケットボール、フットサル、ボクシングなどのスポーツイベントとして開催可能。

 

また近年の『UCIトラックチャンピオンズリーグ』で見られるような派手なライトや音楽による演出も取り入れることで、よりエンターテイメント性を加えた様々なスポーツイベントが開催できそうだ。映像からはコンサート会場としての利用も想定されていることがわかる。

そのほかにも一般利用可能な会議室が併設されていたり、レストランやバーラウンジ、ワイナリーなども設置される様子。またバリアフリーにも十分な配慮がされており、様々な人が利用できる。

建設費は約60億円

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様々な施設が併設され、トラック競技以外のスポーツも開催可能な「オート=サヴォワ アリーナ」。この近代的な多目的施設の建設費約60億円(4400万ユーロ)、オープンは2026年の秋と予定されている(2022年11月時点)。

「オート=サヴォワ アリーナ」の完成と、さらに規模が拡大した第2回『UCI自転車競技世界選手権』の開催が楽しみだ。

※1ユーロ=138.12円として計算(日本銀行による2022年中の平均値を参照)

参照:Département de la Haute-Savoie NEWS(2022年11月24日公開)

19の自転車競技にボリュームアップ!4年に1度の「UCI自転車競技世界選手権」複合大会/『2027 UCI自転車競技世界選手権』フランス・オート=サヴォワ