「2強体制」に風穴を開ける太田海也
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世界選手権連覇を果たし絶対王者となったハリー・ラブレイセン。チャンピオンズリーグでラブレイセンに幾度となく勝利を挙げ2強体制を築き上げたマシュー・リチャードソン。
しかし2023年以降、この2強体制にさらに風穴を開けた選手が出てくる。それは日本の太田海也だ。
ラブレイセンの背中を捕らえた2023年
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2023年2月に開催された『UCIトラックネーションズカップ第1戦(ジャカルタ)』。本大会のスプリント決勝に進んだのは、リチャードソンらを倒した世界チャンピオンのハリー・ラブレイセン。そしてジェフリー・ホーフラント(オランダ)やミカイル・ヤコフレフ(イスラエル)らを撃破し駒を進めた太田海也の2人。
結果はラブレイセンのストレート勝ちとなったが、太田は2本とも横一列でフィニッシュするほぼ互角の勝負を繰り広げた。太田海也の名を世界に認知させた本レースについては、以下記事をご覧いただきたい。
リチャードソンVS太田
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ラブレイセンに勝利経験のあるマシュー・リチャードソンと、ラブレイセン相手にあと一歩の所まで迫った太田海也。『2024ネーションズカップ第1戦』のスプリント決勝にて、この2人による対決がついに実現した。
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200mFTTによる予選をトップタイムで通過したリチャードソン。太田(全体2位)のタイムを0.1秒上回り、好調さが窺えた。
そして迎えた決勝1本目、リチャードソンは主導権を握り大差で勝利。しかし2本目の太田は逃げ切りフィニッシュ、もつれこんだ3本目では外からの捲りを見せ、太田が逆転勝利。
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(左から)マシュー・リチャードソン, 太田海也, マシュー・グレーツァー
2強体制を築き上げたリチャードソンを下し、自身初のネーションズカップ金メダルを勝ち取った。
▼レースレポート
なおレース後のリチャードソンはえげつない苦しみっぷり(太田もだが)。
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マッサーによる処置&扇風機&水を頭からバシャバシャとかけられ……その中で苦しみ続けるリチャードソン
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太田はレース後にジェイソン・ニブレットヘッドコーチに称えられようとする瞬間に崩れ落ちた……
自分でも「体力がある、長引けば長引くほど有利」と言う太田の「体力おばけっぷり」が勝利を掴んだのかもしれない。
香港で「ラブレイセン、リチャードソン、太田」の3人が集結
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絶対王者ハリー・ラブレイセンを2022年に撃破したマチュー・リチャードソン。そのリチャードソンに『2024ネーションズカップ第1戦』のスプリントで勝利した太田海也。
男子スプリントでトップを争う3人は、3月15日〜17日に香港で開催される『2024ネーションズカップ第2戦』にエントリーしている。
過去に3人が繰り広げてきた戦いを振り返りつつ、香港での決戦にご注目いただきたい。