パリ2024オリンピック採用種目の1つ、男子チームスプリント。その重要種目で日本チーム(長迫吉拓/太田海也/小原佑太)が銀メダルを獲得し、パリ2024オリンピック出場に向けて視界良好となる結果を得た。
2024トラックネーションズカップ第1戦オーストラリア・アデレード大会。大会は2月2日から4日の3日間で開催している。この大会はパリ2024に続くポイント、通称”オリンピックポイント”の獲得対象の大会となっている。
大会初日の男子チームスプリントには世界から11か国12チームが出場。世界トップレベルの実力を持つ開催国のオーストラリア、日本とアジアの覇権を争う中国(AとBの2チームが出場)、イギリス、ポーランドなどの強豪もエントリーした。世界最強のオランダチームはエントリーリストに名を連ねず。
日本チームは第1走に長迫吉拓、第2走に太田海也、第3走に小原佑太と、日本記録を保持するベストメンバーで世界に挑む。
全体の2位を記録 日本チームの現在地
12チーム中9番目にスタートとなった日本チーム。予選は8位までが1回戦進出となる。
勢いよくスタートした長迫が、自己ベストに少し及ばずながらも好タイム(17秒537)で後ろの太田に交代する。
太田は一気にスピードを上げると、それまでの暫定トップタイムを更新して最終走者の小原へ。
太田から得たスピードを小原が保持してゴールラインを駆け抜け、日本のタイムは43秒103。暫定トップを更新して、この時点で予選突破を決めた。
日本のタイムを破ったのは、最終組となった開催国オーストラリア。第1走から別次元のような走りを見せると、フィニッシュタイムは42秒444。日本をコンマ7秒上回り、予選トップで通過を決めた。日本はオーストラリアに次ぐ2位で予選を通過。
決勝進出!だが日本記録に僅かに届かず
1回戦はホームとバックに分かれての対戦。勝負に勝ち、全体タイムの上位2位までが決勝進出、3位と4位は銅メダル決定戦へと進む。予選2位の日本(予選タイム:43秒103)は予選7位のポーランドとの対戦となった(予選タイム:43秒824)。
日本もポーランドも、予選とメンバー変更なしで勝負に臨む。
レースは第1走の長迫が予選よりタイムを上げて、17秒468のタイムで大きくポーランドを突き放して第2走へ。
第2走の太田が加速していくと、更にポーランドとの差を広げて第3走の小原へ。
対戦の勝利が濃厚となった日本チーム。気になるフィニッシュタイムは42秒773。
およそ1年前に同メンバーで作った日本記録(42秒742)には届かなかったものの、ポーランドに大差の勝利を果たし、1回戦のタイムを全体の2番目として決勝進出を決めた。
トップはオーストラリアで42秒329。決勝は日本とオーストラリアの対戦となる。コンマ4秒ほどのタイム差をどう埋めるのか、そして日本記録が更新されるかどうかが、決勝の見どころとなった。
【決勝】vsスピードお化けの開催国
決勝は大幅にタイムで勝るオーストラリア(レイ・ホフマン/マシュー・リチャードソン/マシュー・グレーツァー)の3人との対戦。
レースはスタートと同時に長迫が飛び出していく。序盤は長迫の猛ダッシュで、半周を過ぎてコンマ1秒のリードを得た日本だが、1周交代時には逆転されてコンマ2秒の差でオーストラリアを追う展開。
第2走は太田海也vsマシュー・リチャードソン。
UCIチャンピオンズリーグでトップ争いをするオーストラリアのエースと太田の勝負は、リチャードソンが更に差を広げていく結果となる。最終走者に入った時点で日本はオーストラリアからコンマ4秒の差を付けられてしまう。
最終走者は、短期登録で日本の競輪を走ったこともあるマシュー・グレーツァー、そして日本は小原佑太。
最後の1周ではグレーツァーが更に差を付ける形で先着。42秒154のフィニッシュタイムとなった。日本のタイムは42秒750。2着となり銀メダルを獲得する結果となった(僅かに日本記録に届かず)。
決勝動画ハイライト↑
3位決定戦はイギリスvs中国のカードとなり、イギリスが42秒915、中国が43秒221。イギリスが銅メダルを獲得した。
順位 | 選手名 | 所属 | タイム | |
1位 | マシュー・グレーツァー レイ・ホフマン マシュー・リチャードソン トーマス・コーニッシュ(補欠) |
GLAETZER Matthew HOFFMAN Leigh RICHARDSON Matthew CORNISH Thomas(R) |
AUS | 42.154 |
2位 | 長迫吉拓 太田海也 小原佑太 |
JPN | 42.750 | |
3位 | ジャック・カーリン エド・ロウ ハーミッシュ・タンブル |
CARLIN Jack LOWE Ed TURNBULL Hamish |
GBR | 42.915 |