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最も高額の補助を受けたのは
さて、どのような大会に最も補助金が交付されているのか見ていこう。まずは競輪と最も関連の深いトラック競技大会を見てみると……
トラック
交付決定額 | |
2023JBCFトラックチャレンジシリーズ大会 | 2,827,000 |
全日本プロ選手権自転車競技大会 | 24,305,000 |
合計 | 27,132,000 |
意外なことに、交付金額は2700万円ほど。ただし今回は補助事業名から大会名がある程度わかるもののみをピックアップしており、技術開発や施設の修繕にかかる補助などは計算に入れていない。そのようなことも含めると、トラック競技への補助金額はさらに高くなることが想定される。
続けて具体的な大会名がわかる補助事業名を競技種別ごとに見ていくと、以下のようになる。
トラック・ロードレース
交付決定額 | |
全国高等学校総合体育大会自転車競技大会 | 38,750,000 |
九州自転車競技選手権大会 | 4,612,000 |
合計 | 43,362,000 |
MTB
交付決定額 | |
Coupe du Japon マウンテンバイク大会 | 16,645,000 |
JOCジュニアオリンピックカップ/全国ユース選抜マウンテンバイク大会 | 3,498,000 |
ジャパン・マウンテンバイク・カップ | 39,130,000 |
合計 | 59,273,000 |
シクロクロス
交付決定額 | |
前橋シクロクロス大会 | 1,999,000 |
BMX
交付決定額 | |
BMX競技大会 | 236,000 |
ロードレース
交付決定額 | |
ツール・ド・北海道2023 | 47,777,000 |
2023ジャパンカップサイクルロードレース | 47,492,000 |
まえばし赤城山ヒルクライム大会 | 25,732,000 |
2023ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム | 42,765,000 |
JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ | 7,566,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン(全体管理) | 35,499,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン東京ステージ | 32,045,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン相模原ステージ | 14,760,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン信州飯田ステージ | 9,471,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン美濃ステージ | 9,920,000 |
全日本自転車競技選手権大会ロードレース | 39,896,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージ | 7,047,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ | 7,716,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン京都ステージ | 13,307,000 |
2023ツアー・オブ・ジャパン堺ステージ | 9,885,000 |
おおいたいこいの道クリテリウム | 42,411,000 |
ツール・ド・おきなわ2023 | 26,214,000 |
2023佐渡ロングライド210 | 4,192,000 |
伊豆半島一周サイクリング | 2,766,000 |
合計 | 426,461,000 |
自転車カルチャーの多彩さ
最も多くの交付があった競技種別はロードレース。公道を封鎖して人員を配置する必要がある、単純にレース数が多い、またここではサイクリングイベントも含んだことから、4億円以上の交付額となった。この一覧を見るだけでも、日本各地で開催される自転車カルチャーの多彩さの一端を見るようである。
だが逆に言えば、補助事業による支援がなければ、こういった大会を国内で開催することも難しくなるということ。
競輪は公営競技、ギャンブルであることには変わりはない。のめり込む危険性があり、慎重な付き合い方をする必要がある。しかしこういった「自転車カルチャーを下支えする側面」もあることを知っていただくことで、競輪にある暗い印象を少し変えていただけるかもしれない。