2月2日からオーストラリア・アデレードで開催される『2024ネーションズカップ第1戦』。パリ2024オリンピックの出場枠獲得を懸けた重要な1戦であり、世界選手権に次ぐハイレベルな大会だ。

本記事ではUCI公式サイトより公開されたエントリーリストを基に、本大会の注目選手を厳選して紹介していく。

エントリーリスト(2024年1月10日暫定版)

なお日本からは18選手が出場予定だ。

水谷彩奈のエリートデビュー 2024ネーションズカップ第1戦 派遣選手発表 18選手が真夏のオーストラリアへ

『2024ネーションズカップ第1戦』

日程:2024年2月2日(金)~2月4日(日)
開催地:オーストラリア・アデレード
実施種目:
スプリント、ケイリン、チームスプリント
エリミネーション、オムニアム、マディソン、チームパシュート

短距離

エマ・フィヌカン, FINUCANE Emma, GBR, 佐藤水菜, SATO Mina, JPN, 女子スプリント 2回戦, WOMEN Elite Sprint 1/8 Finals, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

女子短距離では、『2023世界選手権トラック』にて個人種目の表彰台を獲得したメンバーが全員出場予定。世界選手権やオリンピックに匹敵するハイレベルな戦いになるだろう。

中野慎詞, NAKANO Shinji, JPN, ジェフリー・ホーフラント, HOOGLAND Jeffrey, NED, ケビン・キンテロ, QUINTERO CHAVARRO Kevin Santiago, COL, 男子ケイリン 決勝 1-6, MEN Elite Keirin Final 1-6, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

男子短距離では絶対王者ハリー・ラブレイセンらオランダ勢が出場を見送り。しかしオランダ不在だからこそ、オリンピックポイントの積み上げを狙う争いが加速しそうだ

出場予定の現アルカンシェルホルダー(短距離)

選手名 カテゴリ アルカンシェル保持種目
エマ・ヒンツェ 女子 ドイツ 500mTT, チームスプリント
エマ・フィヌカン イギリス スプリント
エルレス・アンドリュース ニュージーランド ケイリン
ポーリン・グラボッシュ ドイツ チームスプリント
リー ソフィー・フリードリッヒ ドイツ チームスプリント
ケビン・キンテロ 男子 コロンビア スプリント

エマ・フィヌカン(イギリス・女子)

エマ・フィヌカン, FINUCANE Emma, GBR, 女子スプリント 決勝, WOMEN Elite Sprint Final for Gold, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

イギリス女子短距離の新星(21歳)。東京2020オリンピック後に新たに発足した、若手主体のイギリス女子短距離チームの一翼を担う1人。2022年には世界選手権でチームスプリント銅メダルを獲得。

エマ・フィヌカン, FINUCANE Emma, GBR, 女子スプリント, WOMEN Elite Sprint, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

2023年には個人種目でも好成績を残し、『2023世界選手権トラック』ではスプリントにて優勝。ドイツやフランスなどの強豪の壁を破り、見事アルカンシェルを獲得。

2024年1月に開催された『2024UECヨーロッパ選手権トラック』でもスプリントで優勝し、その強さを改めて証明した。

主な戦績

大会 成績
2023世界選手権トラック スプリント優勝
チームスプリント2位
2024ヨーロッパ選手権トラック スプリント優勝
ケイリン2位
チームスプリント2位
2023ネーションズカップ第1戦 スプリント3位
チームスプリント3位
2023ネーションズカップ第2戦 スプリント優勝

リー ソフィー・フリードリッヒ(ドイツ・女子)

リー ソフィー・フリードリッヒ, FRIEDRICH Lea Sophie, GER, 女子500mTT 決勝, WOMEN Elite 500m Time Trial Final, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

エリートカテゴリーでのアルカンシェルを既に複数枚獲得してきた2000年生まれのリー ソフィー・フリードリッヒ。

東京2020オリンピックにも出場し、チームスプリントでの銀メダルに貢献。実力も経験も兼ね備えている選手だ。

リー ソフィー・フリードリッヒ, FRIEDRICH Lea Sophie, GER, 佐藤水菜, SATO Mina, JPN, ステフィー・ファンデルピート, van der PEET Steffie, NED, Women's Keirin, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

リー ソフィー・フリードリッヒ(中央)/2022世界選手権トラック

2021年・2022年の世界選手権では、ケイリンにて佐藤水菜の金メダルを阻んできた存在でもある。

『2023世界選手権トラック』では個人種目での金メダルこそ逃したものの、短距離全4種目でメダルを獲得した唯一の選手となった。同国ドイツのエマ・ヒンツェらとともに、『2024ネーションズカップ第1戦』の表彰台有力候補の1人として要注目だ。

主な戦績

大会 成績
2023世界選手権トラック 500mTT 3位
スプリント2位
ケイリン3位
チームスプリント優勝
2024ヨーロッパ選手権トラック スプリント2位
ケイリン優勝
チームスプリント優勝
2023ネーションズカップ第1戦 スプリント2位
チームスプリント優勝
2023ネーションズカップ第2戦 チームスプリント2位
東京2020オリンピック チームスプリント2位

マシュー・リチャードソン(オーストラリア・男子)

マシュー・リチャードソン, Matthew RICHARDSON, AUS, UCI Track Champions League, Round 5 London

マシュー・リチャードソン(2022トラックチャンピオンズリーグ)

世界選手権やネーションズカップなどの主要大会で、一貫して好成績を収めているオーストラリアの若手選手。

2022年のトラックチャンピオンズリーグでは、絶対王者のハリー・ラブレイセンを倒す活躍も見せているスプリンターだ。

個人種目ではアルカンシェル未獲得ではあるものの、世界選手権2022年大会ではスプリントで銀メダル、2023年大会ではケイリンで銀メダルを獲得。コンスタントに表彰台に登っているため『2024ネーションズカップ第1戦』の最注目選手に挙げるには十分な素質を持っている。

ケビン・キンテロ, QUINTERO CHAVARRO Kevin Santiago, COL, マシュー・リチャードソン, RICHARDSON Matthew, AUS, 中野慎詞, NAKANO Shinji, JPN, 男子ケイリン, MEN Elite Keirin, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

(左から)マシュー・リチャードソン、ケビン・キンテロ、中野慎詞

個人種目に加え、元世界チャンピオンのマシュー・グレーツァーらと走るチームスプリントでもメダルを獲得。自国開催の『2024ネーションズカップ第1戦』でも表彰台に絡む走りを見せてくれるだろう。

主な戦績

大会 成績
2023世界選手権トラック ケイリン2位
チームスプリント2位
2023オセアニア選手権トラック スプリント優勝
ケイリン優勝
チームスプリント優勝
2023ネーションズカップ第1戦 チームスプリント優勝
2023ネーションズカップ第3戦 スプリント3位
ケイリン優勝
チームスプリント優勝

中長距離

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