静岡県・伊豆ベロドロームで2023年11月16日に開幕となった『ジャパントラックカップ』。3日間で2つの大会が実施される。
初日の16日は、中長距離はオムニアムとマディソンを同日にこなす過密日程。4種目で競われる女子オムニアムには東京2020大会での銀絵メダリストの梶原悠未、2023世界選手権ポイントレース銅メダルの内野艶和を含む、国内外から11人の選手が出場した。
第1種目:スクラッチ
7.5km、30周で競われるスクラッチ。最終着順がそのまま順位となるシンプルなルール。
残り10周までひと塊の集団のまま、先頭交代しながらレースが進む。動きが出たのは残り10周。池田瑞紀がアタックすると単独で逃げていく。しかし残り5周となったところで池田は集団に捕まり、再びひと塊へ。
レースはお互いにけん制していく形で残り2周を切る。迎えた残り1周半、リー・ジーウィン(香港)が飛び出そうとしたことで全体が一気にスピードアップ。それをすかさず梶原悠未が追い、最後は集団の先頭でフィニッシュした。
第2種目:テンポレース
7.5km、30周で実施されるテンポレース。毎周先頭の選手にのみ1ポイントが加算され、最終的にポイント上位の選手が勝ちとなる。
池田瑞紀、梶原悠未、内野艶和といったメンバーが序盤にポイントを獲得していく中、飛び出したのはエリート初参戦となった岡本美咲。しかし岡本のアタックは集団に吸収される。
残り15周を切り、集団から抜け出したのは垣田真穂と梶原悠未。これに内野艶和も加わり、3選手による先頭集団ができる。このメンバーが終盤までリードとポイントを獲得し続け、梶原、垣田、内野の順で上位3人となった。
第3種目:エリミネーション
2周に1回最後尾の選手が除外されるサバイバルレース、エリミネーション。
ここまでレースをリードしてきた内野が4回目で除外を受けてしまう中、ラスト4人に残ったのは梶原、垣田、池田、リー・ジーウィン。除外周回では4人が横並びでフィニッシュラインに飛び込んだが、一番外に膨らんだリー・ジーウィンが最後尾となる。その次には池田が除外となり、一騎打ちは梶原と垣田となった。
この勝負は、梶原が残り1周から一気にスピードを上げていく。梶原が垣田に大きくリードをつけて勝つ結果となった。
最終種目:ポイントレース
20km、80周、8回のスプリント周回が設けられたポイントレース。これまでの順位によって振り分けられるポイントを「持ちポイント」として行われる。ここまでのポイントは以下の通り:
梶原悠未:120
垣田真穂:112
内野艶和:110
リー・ジーウィン:98
池田瑞紀:92
古山稀絵:88
岡本美咲:86
2回目のポイント周回の後、垣田真穂が単独でアタック。これを追走する4人(内野、池田、古山、梶原)が5周ほどで垣田を捕まえて吸収するが、この一連の動きで集団が2つに分かれることになる。
残り48周、またも垣田が単独でアタック。遅れていた後続集団に追いつき、1ラップを成功させる。
逃げ集団は内野、池田、古山、梶原の4人の集団。しかし残り41周のところで池田が落車。すぐに復帰できたもののこのアクシデントで集団はバラけ、残り35周では内野、池田、梶原の3人がメイン集団に追いつき、垣田同様に1ラップを成功させた。
残り20周をきり、2回のスプリント周回を残しての暫定順位は梶原が他の選手たちを大きくリードする。
梶原:162
内野:140
垣田:134
リー・ジーウィン:102
7回目のポイント周回は内野が1着で通過し、残すは最終周回で得られるスプリントポイントのみとなる。
残り2周で先頭に出たのは、今大会がナショナルチームメンバーとしてのラストレースとなる古山。果敢な姿を見せるもこの動きは残り1周から加速した梶原に追い越され、そのまま梶原が強さを見せての1位となった。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント |
1位 | 梶原悠未 | Team Yumi | 174 |
2位 | 内野艶和 | チーム楽天Kドリームス | 151 |
3位 | 垣田真穂 | チーム楽天Kドリームス | 141 |