男子マディソン。最後まで勝負が見えないデッドヒートを制してアジア王者のチームとなったのは日本チーム(今村駿介&兒島直樹)。激戦の模様をお伝えする。
2023年9月29日、アジア競技大会(杭州)の実施種目の一つ、男子マディソンが行われた。全11チーム、22人が出走し、4年に1度のアジアの頂点を狙う。日本は今村駿介&兒島直樹、国際大会初編成のチームでレースに臨む。6月にはアジア選手権で圧勝を飾っている日本チームだけに、この種目でも金メダル獲得が期待された。
男子マディソン
レースは200周、50kmの戦い。10周毎のスプリント周回での順位で得られるポイントと、集団を1周追い抜きすると得ることができる20ポイントを合計し、最もポイント獲得の多いチームの勝利となる。
レースがスタートすると、1回目のスプリント周回の前に思わぬハプニングが発生する。スプリント周回でポイントを得ようとした日本チームが交代する際に失敗して両者ともに落車してしまう。2人とも落車後に復帰を果たすが、1回目のスプリント周回と2回目は1ポイントも取れずに、20周が終わる。
立て直しと巻き返しが始まったのは3回目のスプリント周回。このタイミングで2着3ポイントを得ると、次のスプリント周回では1着5ポイントを獲得する。その後も中盤、終盤にかけて日本が基本的に2着3ポイントを加算しながらポイントを積み上げていく。
一方でチャンスの際には1着5ポイントを獲得し、日本とトップ争いをしたのは韓国。折り返しとなる10回目のポイント周回後の合計は日本が22でトップ、次いで韓国と香港が20ポイントで並んだ。
後半戦は、韓国がポイントを重ねていき、残り30周を切って日本を逆転。この時点で韓国は43ポイント、日本は40ポイントと3ポイント差ながらも日本はリードを奪われる形となった。
残すは3回のポイント周回のみとなったレース。残り20周のポイント周回で日本が4着1ポイントを獲得。韓国はポイントを得ることが出来なかったため、ポイント差を2に縮めた。
しかし残り10周となるポイント周回。日本チームは1着5ポイントを得るために先頭で走るが、韓国チームが捲って先着。日本は2着で3ポイントを獲得したものの、差が「2」から「4」へと開いてしまい、残すは最後のスプリント周回のみとなった。
最後の勝負は韓国から仕掛けていく。残り3周で韓国がスパートをかけると、それを捕らえにいく日本。
スプリント力に長ける日本は、最終周回突入時に韓国をかわして先着し、1着10ポイントを獲得(最後はダブルポイント)。そして韓国は2着6ポイントを獲得(最後はダブルポイント)。
合計を54ポイントとして両者が並ぶ結果となったが、最後の着順により日本が韓国を逆転しての勝利を遂げた。
熾烈なシーソーゲームを制した日本の今村駿介と兒島直樹がアジアの頂点に輝く結果となった。
順位 | チーム | 選手名 | ポイント | |
1位 | 日本 | 兒島直樹 今村駿介 |
54 | |
2位 | 韓国 | シン・ドンギン キム・ユロ |
SHIN Dongin KIM Euro |
54 |
3位 | カザフスタン | アリヨム・ザカロフ ラミス・ディンムハメトフ |
ZAKHAROV Artyom DINMUKHAMETOV Ramis |
37 |