男子スプリントは前日(27日)に2回戦までを実施し、28日は準々決勝からスタートとなった。
今シーズン急成長を遂げたルーキー2人組の1人である太田海也が、アジアの強豪を打ち破り金メダルを獲得。中野慎詞は準決勝進出はならず、最終を6位とした。
圧勝の太田、中野はレース巧者相手に悔しい結果に
準々決勝からは2本先取で勝ち上がりとなる。
太田の相手はデイヴィットベッカム・エレカトーチンゴ(インド)。
1本目は残り1周半で仕掛けた太田が大差で先着。2本目はエレカトーチンゴが残り2周で大逃げを図り、太田が体力を使って追う展開となる。最終的にエレカトーチンゴを太田が捕まえて先着。2本先取しストレートで勝ち上がりを決めた。
中野の相手はムハマド シャー・シャローム(マレーシア)。
1本目、中野が前で後ろのシャロームを警戒しながらレースは進む。中野の後方にピッタリと付けて追ってくるシャロームは、残り1周を前に中野の隙をついてインから攻め上がると、先行体制へ。意表を突かれた中野が追うが、最後まで届かずにシャロームが先着。
2本目、シャロームが前、後ろに中野となってのレース。バンク上部で早目にスピードを上げていく中野に合わせ、レースをコントロールするのはシャローム。スペースを空けずに中野のスピードを殺しながら進んでいくが、最終周回に入ると両者が一気にギアを入れ替えてのスプリント勝負となる。
残り半周では外から並びかけた中野だったが、最終ストレートでは勢いが伸びずにシャロームが先行。前を行くシャロームを最後まで捕えることができずに、中野は2着。準決勝進出を逃した中野は5-8位決定戦へと回ることになった。
太田に死角無し 決勝の舞台へ
準決勝の相手は予選3位のタイムで走ったシュエ・チェンシー(中国)。
1本目は残り1周半で太田が後ろから一気に仕掛けて快勝。2本目は決勝進出をかけたレースとなる。
レースは太田が前で進むが、半周を走ったところで太田がスタンディングすると、シュエが前に出て位置が入れ替わる。1本目と同じ構図となり、太田が後ろからプレッシャーをかけていく。
1本目と異なったのは、残り1周半でシュエが踏み出していき、先に仕掛けていったところ。一気にレーススピードが上がったものの、逃げるシュエを太田が最終バック捕えて先着。
太田が決勝の舞台へのチケットを掴んだ。
粘りの先着 自身初のアジア競技大会個人タイトル獲得
決勝は予選トップのチョウ・ユー(中国)との対戦。1本目は太田が後ろから攻める形となった。決勝独特の緊張感を伴いながら進むレースは、位置関係を変えずに残り1周半を迎える。
後ろから攻める素振りを何度も見せていた太田だったが、残り1周半でバンクの上部からやや勢いを付けて差を詰めていく。最終周回前に踏み出した太田は一気に先頭に出ると、そのままチョウを置き去りにして先着。アジアトップに王手をかけた。
2本目。太田が前となってレースが始まる。半周を過ぎたところで太田がスタンディングをすると、バランスを崩してしまって両者が落車するアクシデントがあっての再走。
あとが無いレースで先に仕掛けたのはチョウだった。残り2周を切ってペースを上げ始めると、残り1周半からはペダルを踏みこんで太田をかわしに行く。
やや立ち遅れた感はあったが、太田が内側で粘り、チョウと並走しながら最終周回に入ると、内側で並走する太田が少しずつ前に出ていく。
最終コーナーを抜けると、単独先頭となった太田がフィニッシュラインを1番に駆け抜けていった。
決勝をストレートで制した太田海也が優勝、2位にチョウ・ユー(中国)、そして3位にはムハマド シャー・シャローム(マレーシア)、中野慎詞は5-8位決定戦で2着となり、最終成績を6位とした。
順位 | 選手名 | チーム | |
1位 | 太田海也 | 日本 | |
2位 | チョウ・ユー | ZHOU Yu | 中国 |
3位 | ムハマド シャー・シャローム | SAHROM Muhammad Shah Firdaus | マレーシア |