2023世界選手権・グラスゴー大会。大会最終日の8月9日には男子ケイリンの2回戦から決勝までが実施された。
レースは今大会初登場、そして世界選手権初出場の中野慎詞が決勝で強豪たちを捲り上げ、見事に銅メダルを獲得。太田海也は7-12位決定戦で8位となり、日本人の両選手が活躍を見せた。日本人選手のレース模様を中心にメダル獲得までの軌跡をレポートする。
2回戦(準々決勝)
前日の8日に行われた1回戦では中野慎詞、太田海也が共に2着で勝ち上がりを決めての2回戦。
2回戦は3組、各組4着までが準決勝へ進む。
第1組には太田海也が出場。マシュー・リチャードソン(オーストラリア)、開催国のジャック・カーリンなどと同組となった。
レースは太田が先頭で周回を重ねていく。ペーサーが退避すると後ろの選手たちが動き出し、太田は最後尾まで位置を下げる。
残り2周となり、最後尾からスピードを上げていく太田だが、前方にいるオランダのタイマン・ファンルーンのスピードが遅いせいか、詰まるような形で内側へと進路を変えてしまう。
残り1周で集団後方から抜け出す道が無い太田だが、3コーナーから4コーナーで前方がもつれると、なんとか外への道を得て3着でフィニッシュした。
1着はリチャードソン、2着にカーリン、3着に太田、そして勝ち上がりの最後はミカエル・ヤコフレフ(イスラエル)。
第3組には中野慎詞。相手にはアジア選手権王者のアジズルハスニ・アワン、1kmタイムトライアルで金メダルを獲得しているジェフリー・ホーフラント(オランダ)など。
レースは中野が3番手でスタート。ペーサー退避を前に後続の2人が位置を上げていくと、残り3周で中野は5番手となる。
残り2周でペースが既に上がったレースはアワンが先頭、中野は5番手と変わらず。残り1周で中野の前にいたホーフラントが外に持ち出すと中野も外に出て加速していく。
最後は力に勝るホーフラントと中野が、他を引き離してフィニッシュ。
ホーフラントが1着、中野が2着、3着にトーマス・コーニッシュ(オーストラリア)、4着にアワン。
準決勝1組 逃げた太田、しかし……
ケビン・キンテロ(コロンビア)
ハリー・ラブレイセン(オランダ)
ジャック・カーリン(イギリス)
トーマス・コーニッシュ(オーストラリア)
アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
太田海也
3着までが決勝へと進むことが出来る準決勝。並びは上記の順となって進む。
ペーサー退避前にアワンが位置を上げていくと、続いたのは太田。しかしアワンが隊列の中段を越えずに停滞すると、太田が全員をかわして先頭へ。
残り2周で太田が先頭、カーリン、アワン、キンテロ、ラブレイセン、コーニッシュとなる。最終周回に入っても太田が先頭となるが、後続が追い上げてくると、残り半周で太田が捕まってしまう。
インで粘る太田だが、キンテロ、カーリン、ラブレイセン、アワンの順にかわされ、5着でフィニッシュ。7-12位決定戦へと回る形となった。