新設の風洞実験施設とコラボ
加えて2022年10月、イギリス・マンチェスターに新たな風洞実験施設がオープンしている。
最先端の実験データを得ることで、バイクそのものだけでなく、スキンスーツやヘルメットの素材や形状、そして選手のポジショニングなども追求できる。新型バイクの性能を最大限に引き出すことが可能となるだろう。
選手の発掘・育成だけでなく「機材」の面においても、イギリスの注力度は世界トップクラスだ。
「British Cycling × Lotus」でのオリンピックは3回目
今回パートナーシップ契約を更新した「Lotus」社とイギリスチームが手を組んでオリンピックを目指すのは、実は2024年のパリ大会で3回目となる。
2回目は東京2020オリンピックだが、1回目は1992年のバルセロナオリンピック。
「Hope/Lotus HB.T」にも勝るような奇抜な形状のバイク「Lotus Type 108」で、クリス・ボードマンによる男子個人パシュート(4km)の金メダル獲得に大きく貢献した。
Lotus type 108 aux petits soins #Lotus @Lotus110Club @lotuscars @ClubLotusFrance pic.twitter.com/2wK0ngmlIJ
— Club Lotus France (@ClubLotusFrance) July 26, 2019
このクリス・ボードマンは、選手引退後に「Boardman Performance Centre」を設立しており、自身が中心となって考案した風洞実験施設で開発・データ解析なども行ってきた。イギリス自転車競技界の重要人物とも言える存在だ。
マンチェスターに新たにオープンした風洞実験施設も「Boardman Performance Centre」から移設され、改良されたものだ。
参照:British Cycling(イギリス自転車競技連盟)リリース(2021年6月30日)
戦いは始まったばかり
約30年前、ボードマンとともに初めてオリンピックを駆け抜けた”Lotusバイク”が、「Renishaw」社・「Hope Technology」社とともに「パリ2024オリンピック」に向けて再び動き出した。
もちろん他国と同じように、出場枠を懸けた戦いの最中にいる強豪イギリス。新型バイクの動向に注目しつつ、選手たちが繰り広げる一戦一戦をぜひ楽しんでいただきたい。