2023年2月28日時点で既に開催された対象大会は以下の2つ。
2023年ヨーロッパ選手権はすでに終わっているため、多くの欧州諸国がランキング上位に位置している。逆に2023年の大陸選手権を後に控えている国々にとっては、今後逆転の可能性が多くある。
開催期間 | 大会 | 種類 | 開催地 |
2月8日〜12日 | 2023ヨーロッパ選手権トラック (メダリスト一覧記事) |
大陸 | スイス・グレンヘン |
2月23日〜26日 | 2023ネーションズカップ第1戦 (メダリスト一覧記事) |
NC | インドネシア・ジャカルタ |
※「大陸」:大陸選手権, 「NC」:ネーションズカップ
男子チームスプリント(最大8枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | オランダ | 1755 |
2位 | フランス | 1500 |
3位 | イギリス | 1447.5 |
4位 | ドイツ | 1286.25 |
5位 | オーストラリア | 1200 |
6位 | ポーランド | 1132.5 |
7位 | チェコ | 945 |
8位 | 日本 | 900 |
—–出場権獲得ライン—– | ||
9位 | スペイン | 863.25 |
10位 | 中国 | 720 |
チームスプリントでは「上位8位の国に対し、1チーム分の出場枠」が与えられる。
ネーションズカップ第1戦を4位でフィニッシュした日本は、出場権獲得圏内ギリギリの8位。しかし6月に控える「2023アジア選手権トラック」で好成績を収めることで、順位を上げることも可能だ。
男子スプリント(最大30枠・各国最大2枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★オランダ | 1250 |
2位 | イスラエル | 977.5 |
3位 | ★フランス | 920 |
4位 | ★ポーランド | 805 |
5位 | ★日本 | 720 |
6位 | リトアニア | 687 |
7位 | ★イギリス | 675 |
8位 | ★ドイツ | 620.5 |
9位 | 中国 | 600 |
10位 | マレーシア | 520 |
★=チームスプリント8位以内の国
男子ケイリン(最大30枠・各国最大2枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★オランダ | 1250 |
2位 | イスラエル | 932.5 |
3位 | ★フランス | 755 |
4位 | マレーシア | 720 |
5位 | ★ドイツ | 665 |
6位 | ★チェコ | 617.5 |
7位 | ★オーストラリア | 600 |
8位 | ニュージーランド | 560 |
9位 | ★ポーランド | 533 |
10位 | コロンビア | 520 |
11位 | ウクライナ | 505 |
12位 | ★イギリス | 502 |
13位 | ★日本 | 480 |
★=チームスプリント8位以内の国
男子短距離まとめ
チームスプリントで出場枠を獲得した上位8ヵ国は、スプリントとケイリンにも出場枠が与えられる(上記の表においては★マークで示した国がそれにあたる)。日本(男子)は第1戦終了時点ではギリギリで8位に入っているが、キープできるかどうかは今後の頑張り次第だ。
ケイリン・スプリントは安全圏
なおチームスプリントの出場枠を獲得した国を除き、スプリント・ケイリンのオリンピックランキングで上位7位の国には、各種目の出場枠を1つずつ獲得することができる。この方法でスプリントの枠を取った場合はケイリンにも1人出場が可能で、逆もまたしかり。この2種目はセットなのだ。
日本はこの出場枠獲得方法においては、両種目で余裕の圏内に入っている。
ということで、男子短距離チームは
・ギリギリで男子チームスプリントの出場圏内
・仮に日本が男子チームスプリントで8位以内から陥落したとしても、ケイリン・スプリントでは出場圏内
となる。
女子チームスプリント(最大8枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ドイツ | 1875 |
2位 | イギリス | 1567.5 |
3位 | オランダ | 1440 |
4位 | ポーランド | 1312.5 |
5位 | フランス | 1286.25 |
6位 | 中国 | 1080 |
7位 | メキシコ | 720 |
8位 | ニュージーランド | 660 |
—–出場権獲得ライン—– | ||
9位 | 日本 | 600 |
10位 | カナダ | 540 |
女子スプリント(最大30枠・各国最大2枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★ドイツ | 1170 |
2位 | ★フランス | 1160 |
3位 | ★イギリス | 1045 |
4位 | ★オランダ | 937.5 |
5位 | ベルギー | 755 |
6位 | イタリア | 670 |
7位 | 日本 | 560 |
8位 | コロンビア | 520 |
9位 | チェコ | 484.5 |
10位 | カナダ | 480 |
★=チームスプリント8位以内の国
女子ケイリン(最大30枠・各国最大2枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★フランス | 1035 |
2位 | ★ドイツ | 970 |
3位 | ★オランダ | 920 |
4位 | ★イギリス | 805 |
5位 | 日本 | 800 |
6位 | ポーランド | 625.5 |
7位 | ★ニュージーランド | 640 |
8位 | オーストラリア | 600 |
9位 | アイルランド | 530.5 |
10位 | コロンビア | 480 |
★=チームスプリント8位以内の国
女子短距離まとめ
男子短距離と同じく、チームスプリント上位8ヵ国はスプリント・ケイリンの枠も獲得できるレギュレーション。日本チーム(女子)はチームスプリントでの枠圏内から外れているが、今後の成績次第では食い込むこともあり得なくはない。
スプリント・ケイリン枠は余裕
一方でスプリントにおいては全体の7位、ケイリンにおいては5位。上位4ヵ国はチームスプリントでも枠を獲得しているため、スプリント・ケイリン枠の獲得には楽観的になれそうだ。
男子チームパシュート(最大10枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | デンマーク | 2275 |
2位 | イギリス | 2090 |
3位 | フランス | 1840 |
4位 | イタリア | 1700 |
5位 | ベルギー | 1670 |
6位 | ニュージーランド | 1440 |
7位 | ドイツ | 1305 |
8位 | オーストラリア | 1200 |
9位 | スペイン | 1058 |
10位 | カナダ | 960 |
—–出場権獲得ライン—– | ||
11位 | 日本 | 880 |
チームパシュートでは上位10位の国に出場枠が与えられる。チームパシュートで枠を獲得すると、男子マディソンへの出場権も獲得することができる。
男子マディソン(最大15枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★ドイツ | 2500 |
2位 | オランダ | 1890 |
3位 | ポルトガル | 1715 |
4位 | ★デンマーク | 1695 |
5位 | ★イタリア | 1610 |
6位 | ★ベルギー | 1590 |
7位 | ★ニュージーランド | 1280 |
8位 | ★スペイン | 1241 |
9位 | 日本 | 1120 |
10位 | チェコ | 1008 |
★=チームパシュート10位以内の国
マディソンの出場枠は最大15。チームパシュートの出場10ヵ国に加え、チームパシュートで枠を獲得していない国のうちから上位5位の国が出場権を獲得できる。9位の日本は実質3位に入り、出場枠獲得圏内。
さらにマディソンで枠を獲得すると、オムニアムの枠も獲得することができる。
男子オムニアム(最大22枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ●デンマーク | 1047.5 |
2位 | ●フランス | 970 |
3位 | ●スペイン | 955 |
4位 | ●オランダ | 892.5 |
5位 | ●ベルギー | 830 |
6位 | ●イギリス | 800 |
7位 | ●ニュージーランド | 720 |
8位 | ●ポルトガル | 705 |
9位 | ●イタリア | 549 |
10位 | ●ドイツ | 545.5 |
11位 | ●スイス | 482.5 |
12位 | ●オーストリア | 427 |
13位 | ●カナダ | 360 |
14位 | ルーマニア | 309 |
15位 | アメリカ | 304 |
16位 | イスラエル | 285.5 |
17位 | ●オーストラリア | 232 |
18位 | ポーランド | 185.5 |
19位 | ●日本 | 176 |
●=マディソン出場枠獲得圏内の国
マディソンの出場枠を獲得した15ヵ国は、オムニアムでも1枠を獲得できる。それらを除いた上位7ヵ国を加え、22枠が最大出場枠数。
日本はマディソン枠で出場枠を獲得できそうではあるが、万が一のためにもう少しランキングを上げたいところ。
男子中長距離まとめ
チームスパシュートで枠を取れればマディソンに、マディソンで枠が取れればオムニアムに……とややこしい構造になっている中長距離の出場枠獲得レギュレーション。
割とギリギリ……かも?
日本の男子中長距離チームは
・あとちょっとでチームパシュート枠獲得
・マディソンは5ヵ国中3位
・オムニアムはマディソンから溢れたときが怖い
といったところ。
一番良いのはチームパシュートで枠が獲得できることだが、それがダメだった場合のために他の種目もポイントを積み上げておきたいところだ。
女子チームパシュート(最大10枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | イギリス | 2180 |
2位 | フランス | 2115 |
3位 | アイルランド | 1750 |
4位 | イタリア | 1690 |
5位 | ニュージーランド | 1600 |
6位 | ドイツ | 1440 |
7位 | オーストラリア | 1200 |
8位 | スペイン | 1151 |
9位 | 日本 | 1040 |
10位 | カナダ | 960 |
『2023ネーションズカップ第1戦』で日本新記録を出し、最終6位で大会を終えた日本。第1戦終了時のオリンピックランキングでは9位に位置し、ぎりぎり出場枠獲得圏内。
女子マディソン(最大15枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ★フランス | 2250 |
2位 | デンマーク | 2230 |
3位 | ★イギリス | 2020 |
4位 | ★イタリア | 2000 |
5位 | スイス | 1410 |
6位 | ★ニュージーランド | 1200 |
7位 | ★アイルランド | 1142 |
8位 | ★スペイン | 1061 |
9位 | ★オーストラリア | 1040 |
10位 | アメリカ | 880 |
11位 | ★日本 | 720 |
★=チームパシュート10位以内の国
マディソンの出場枠は最大15。チームパシュートの出場10ヵ国に加え、チームパシュートで枠を獲得していない国のうちから上位5位の国が出場権を獲得できる。
女子オムニアム(最大22枠・各国1枠)
順位 | 国 | オリンピックポイント |
1位 | ●イギリス | 1090 |
2位 | ●フランス | 1012.5 |
3位 | ●デンマーク | 937.5 |
4位 | ●イタリア | 830 |
5位 | ●ニュージーランド | 800 |
6位 | ノルウェー | 767.5 |
7位 | オランダ | 675 |
8位 | ●スイス | 624 |
9位 | ●アイルランド | 597.5 |
10位 | リトアニア | 571 |
11位 | ポーランド | 405 |
12位 | ●ドイツ | 394.5 |
13位 | チェコ | 386.5 |
14位 | ●ベルギー | 360 |
15位 | スロバキア | 349 |
16位 | ●オーストラリア | 328 |
17位 | ●香港 | 304 |
18位 | ●日本 | 280 |
●=マディソン出場枠獲得圏内の国
オムニアムではマディソンの出場枠を獲得した15ヵ国に、それらを除いたランキング上位7ヵ国を加え、最大22ヵ国が出場枠を獲得できる。
女子中長距離まとめ
男子と同じくチームパシュートで枠が取れれば一安心な中長距離のレギュレーション。
高みを目指せるか?チームパシュート
日本チーム(女子)はひとまずチームパシュートで枠獲得圏内の9位に入っているものの、少し成績が落ちれば圏外に転がり出てしまうだろう。今後も継続的に良い結果をキープする必要がある。
とはいえ、エリートデビューしたてのルーキー2人が加入した荒削りのチームにもかかわらず、第1戦では日本記録を更新した事実もある。さらに化ける可能性もありそうだ。
また仮にチームパシュートで枠が取れなかったとしても、マディソンは現状安全圏にいると言える。
第2戦は3月14日から開幕
より良い順位を獲得するために、もしくは他国に獲得させないためにも「ネーションズカップ」は非常に重要な大会だ。
【大会別】獲得可能な最大オリンピックポイント数
大会 | 1位が獲得できるUCIポイント (個人種目の場合) |
係数 | 獲得可能な最大ポイント数 (個人種目の場合) |
大陸選手権 | 600 | 0.75倍 | 900(600×2×0.75) (2大会とも1位獲得) |
ネーションズカップ | 800 | 1倍 | 1600(800×2×1) (1位を2回獲得) |
世界選手権 | 1000 | 1.5倍 | 1500(1000×1.5) (1位獲得) |
ネーションズカップは係数とUCIポイントの両方で世界選手権よりも劣るものの、2つのベスト順位をオリンピックランキングへ反映できるため、獲得可能な最大ポイント数は世界選手権を上回ることになる。
さらに1発勝負の世界選手権と異なり、ネーションズカップは年に全3戦が開催されるため、1位を獲得するチャンスは最大6回もある。
3月14日〜3月16日には、エジプト・カイロで『2023ネーションズカップ第2戦』が開催される。
第2戦やその後の大会で焦らず本領を発揮していくことが、パリへの道を切り開く重要なカギとなるだろう。ぜひ日本チームを応援いただきたい。
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